過去に法人・個人事業主向けとして対応したビジネスに関しての問題・課題やそれらの解決に向けた事例を簡単にお伝えさせていただきます。
経営側として、管理業務としてなど、少しでもビジネスのヒントになれば幸いです。
事例2|四国の世界的な有名ブランドのタオル製造会社ですが、訳あって卸業から個人販売に舵を切ってきました。WEBでの通信販売の売上を上げたい。同時に私たちが大切にしてきた価値観も伝えていきたい。
相談内容:
従来、タオル作りは大量生産の弊害で人体に害のある蛍光増白剤などの薬品が多く使われていたらしく、大量生産して卸先へ納品されていたそうです。
ですが、家族の病気を機に、化学薬品をできる限り使用しないで、赤ちゃんでも安心して利用できるタオルを作ると決心をされ、山から引いた水を使用し、波動の高いタオルを目指しているというものでした。
代わりに、融通がきかない取引先の卸先メインから直販に舵を切るためWEB販売に力を入れたいがどうしたらよいか、というご相談内容でした。
解決策・提案:
- 配布用無料レポートの作成
よくあるWEBサイトのような商品説明と買い物カゴ、それに少しのメッセージのような、よくありがちな販売サイトのコンテンツを考える前に、この経営者のご夫婦には、はっきりとした考え方とストーリーがあることがわかりました。
まずは、キャッチコピーやWEB記事を簡単に書くのではなく、ご夫婦にインタービューをしてから10~20ページ程度のレポートにまとめてみることにしました。どのWEB制作会社に依頼しても、依頼者の想いや伝えたいことを正確に言葉にしていただける業者はほとんどありませんから、まずは、相談者様が伝えたいことを言葉にするための文章と、読み手に受け取られるようなもの、そして、少しでも感動できるものを作ろうと考えました。
SNSがどんなに発達していっても、ご自身の経験からくる事実と真実というコンテンツ自体が差別化につながりますし、それがそのままコンテンツになるからです。合計4時間のインタビューの中から、A4サイズ16ページ「癒しの〇〇タオル」という無料配布用レポートを完成させました。
- ホームページへ落とし込みと口コミのために行ったこと
この相談者の場合は、二度手間でなってしまいますが、私個人が簡単にホームページを作成しました。レポートの内容のサイトへの落とし込み、買い物かごの設定をデザイン性を無視して簡単に作成してみました。都度、変更を業者に依頼するのはお金もかかるし面倒だったからで、自分でいじりたかったからです。その後、相談者が満足できるものができたときに、信頼できる地元のサイト制作者にSEOも含めて依頼していただきました。
最も大事なポイントは、商品を配送する際には、初回の方には、必ず無料レポートを同梱するということです。地域でイベントなどを開催する際にも、なるべく多くのみなさまに手渡しをして配布する。名刺代わりにお会いする方全員にお渡しする、ということを徹底していただくことでした。
サイトでは、無料レポートの同梱の要不要、必要な場合は何部必要なのか、その理由、などを入力できるようにしました。案の定、配っていただける方は、何十部も同梱するケースも時間とともに多くなってきました。
出版社から学ぶレポートの書き方:すごい失敗談と脱出方法のストーリー
以前、出版社を経営されている社長から教えていただいたお話です。
出版社ですから、いつもコンテンツに合った著名な方にアポイントをとっては取材にいきます。
スタッフが取材から帰って文章をまとめます。
まとめた文章を見ては、社長=編集長が、よく新人の記者さんに、ここが違うだのどうのこうので怒ってました。
この記者の何が悪いんだろう?・・・
社長にその理由を聞くと、間髪入れずにこういう答えが返ってきました。
「ストーリーがまったくできていない!!(怒)」
こういうことのようです。
では読者の反応を取る良い記事とはなんでしょう?
社長曰く、雑誌の記事としては、読者の反応を取る、つまり良い記事というのは一つしかないそうです。実は、読者が感動する文章の構成はほとんど決まっているのだそうです。
それにはいくつかのポイントがあります。
- ポイント1… 取材する人は、ズバリ何をしている人?
- ポイント2… どういう実績(数値)がある?
- ポイント3… 一番苦しかったことは何だったのか?
- ポイント4… どうやって乗り越えたのか?
というものです。
読者が信頼するのはやはり、数字という権威。
感動するところはすごい失敗談と脱出方法のストーリーです。
この黄金の方程式が一番食いつくそうです。
この雑誌の編集長兼任社長は、マーケティングやコピーライティングを勉強して、このような書き方を会得してきたわけでなくて、読者の反応や声を基に試行錯誤を重ねてきた結果、こういう形になっていったというところが重要なのです。
単なるノウハウではなく、実体験の基づくものは説得力があります。
どういうときに人は記憶に残るのだろう?
どういうときに心に響かせることができるんだろう?
それはやはり物語=ストーリーです。
「記憶」に残り、共感されやすい、面白くなりやすい。
人間関係の法則を理論的に説明しても頭に入らない、でも昼ドラはおもしろい!
商品説明より、そのバックグラウンド。
○成功体験
○失敗談・挫折
○こだわり
まさにこの事実とからんだ物語=ストーリーが共感を生み、信頼されるようになります。
まとめ
- 成功談だけなら、それは自慢話
- 失敗談・挫折が加わると、すべての言葉が真実にかわる
先生が教科書どおりの授業をしてる間より、いきなり過去の体験談、失敗談など語りはじめるとついつい聞き入ってしまいます。それが辛い経験、悲しい経験になればなるほど、 自分の過去の体験とつなぎあわせる。
- 「大変だったんだ~」
- 「この人じつは誠実な人なんだ~」
- 「よくがんばったね~ううっ(涙)」
となってしまうのが心情であり、人間の脳の仕組み。
ぜひ、あなたのビジネスのどこかにあなたの物語を挿入してみてください。
他の働く人課題解決事例はこちらからご覧ください↓
- 働く人の課題解決事例8:配達ドライバー(大手配送会社)の事故率などを低減させたい
- 働く人の課題解決事例7:介護施設での入居者に対する効果的なコミュニケーション・スキル
- 働く人の課題解決事例6:整体院の集客やリピート率のアップをお金をかけずに行いたい
- 働く人の課題解決事例5:スタッフの入替が激しい。ずっと働いてもらえる社内風土にしたい
- 働く人の課題解決事例4:社会性のあるNPO法人としての活動を日本全国に広めたい
- 働く人の課題解決事例3:スポーツインストラクターの提案業務
- 働く人の課題解決事例2:ネットでの売上アップ、大切にしてきた価値観を伝えたい
- 働く人の課題解決事例1:社員やパート同士の仲が悪く、離職率が高い