NLP心理学には基本前提と呼ばれる物事の考え方があります。
NLPをより効率的に成立させる為に当然のものでもあり、考え方や仮定の一つです。
NLPの基本前提は、NLP心理学が開発されたときに、最初に設定したNLPの考え方ともいえます。
1、NLP心理学の12の基本前提
NLP心理学は1970年にアメリカのリチャード・バンドラーとジョン・グリンダーによって創設されたものです。功績が認められてからはアメリカだけにとどまらず、ヨーロッパなど世界にも広がっていきました。
彼らは、世界中に天才がいると聞けばどこへでも駆け付けていきました。
そして、24時間、彼らに張り付いて具に観察をしていったのです。
「言葉一つで病気を治す人がいる」と聞けばそこへ行き、「なぜ治せるのか、どう患者と関わっていて、具体的にどのようなスキルを使って治しているのか…」など、さまざまな角度から観察と分析を繰り返していきました。
天才たちが、普段からどのようなことを考えて、どのような問いを自分にしているのか、を中心にしてまとめられたものが以下の12項目になります。
ですから、基本前提12項目の内容をそのまま自分自身への質問にすることで、天才たちと同じ「問い」を行うことになるのです。
- 地図は領土でない。
人は、自分の経験を基にして反応するのであって、現実に反応しているのではない。相手をイメージすることと実際に合って観じることは全く違う。相手の感覚に基づく地図の理解を目指す必要がある。
- 人は常に現在可能な最善を尽くしている。
- 他者の世界地図を尊重することは、コミュニケーションの根本条件である。
- あなたが相手から受け取った反応があなたのコミュニケーションの成果である。
- 私たちが現実を体験する方法を変化させる能力は、現実の内容そのものを変化させることよりも効果的であることが多い。
- 人は効果的変化のために必要なリソースをすでに持っている。
- 誰かにできることならば、他の人(あなた)にも可能である。
- 心と身体は一つの有機的システムである。
- 何も選択しないよりも何かを選択した方がよい。
- 失敗はない、フィードバックがあるだけ。すべての結果は何らかの達成である。
ただ、与えられた課題や内容について望んでいたものであるか、そうでないかが違うだけ。
- 「問題」、「制限」、とは「機会」である。
- 全ての行動には肯定的な意図がある。そして、全ての行動には役に立つ場面がある。
2、天才と同じ頭脳を手に入れる基本前提を使った質問方法
上記12項目の基本前提を使ったリフレーミングを行っていきましょう。
リフレーミングとは、枠組みを変えるということです。
つまり、ものごとを違った視点から捉えなおすことで、課題や問題の解決に繋げるための質問にしていきます。
問題を捉えなおす
以下の図は、8つの基本前提の中から8項目だけを使ってリフレーミングした図になります。
ぜひご自分の問題・課題をリフレーミングしてみてください。
- もしもあなたが、〇〇さんとの人間関係に悩んでいるとしたら、このようにリフレームしてみます。
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リフレーム①「あなたが相手から受け取った反応が、あなたのコミュニケーションの成果である」
だとしたら、私は〇〇さんから嫌われるようなどんな対応をしたのだろう?
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リフレーム②「問題、制限とはひとつの機会である」
だとしたら、この二人の関係の状態は私にとってどのような機会が与えられたことになるのだろう? - もしもあなたが、仕事でうまくいかなくて悩んでいるとしたら、このようにリフレームしてみます。
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リフレーム①「失敗はない、フィードバックがあるだけ。すべての結果は何らかの達成である。
ただ、与えられた課題や内容について望んでいたものであるか、そうでないかが違うだけ。」
だとしたら、どういうプロセスがこのような状態を作り出したのだろう?
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リフレーム②「全ての行動には肯定的な意図がある。そして、全ての行動には役に立つ場面がある。」
だとしたら、この状態は私にとってどのような意図があるのだろう?将来どのように役に立つのだろう?
どんな学びがあるのかを解体しながら考えていきます。
すると実は自分が置かれている状況は思っているよりも深刻なものではなく、思い込みが原因になっていただけ…なんて事実に気付きます。
問題を捉えなおすだけで、本来の目的が見えてくると考えるとリフレーミングは面白いものです。