コーチングにおける「信頼関係」の築き方

相手との信頼関係を築く為に、必要なことはなんだと思いますか。
職場でも学校・家族などさまざまなシーンで相手を信頼できていないと意味がありません。

例えばリーダーが指示を出すときに、その言葉を信じ受け入れ実行するにも信頼できない人とは成立しません。

人の上に立つ人は自分から部下にコミュニケーションを取ることも必要ですし、何度も会話を重ねていくことで信頼関係が生まれると考えられています。

1、コミュニケーションは会話のキャッチボールが重要

相手に対して何かしらサポートが必要なとき、信頼関係の度合いが高い方が、効率よく進めることができますし、生産性も上がります。

それは、「この人が言うのであればやってみよう」など、相手が納得してものごとを進めることができるからです。

逆に、この人から指示をされたくない、ということもあるでしょうが、そうなると効率も生産性も低くなってしまいます。

そのためには会話を通して構築していく必要があります。
そして、会話は常に双方向のキャッチボールであるということです。

① コミュニケーションで覚えておきたい約束事

コミュニケーションでは必ず覚えておきたい約束事(ルール)があります。

    1. 会話のキャッチボールを自分からはじめようという意図がある
    2. 相手との間に会話の同意がある
    3. 相手と向き合う
    4. 近すぎず遠すぎない適度な距離感を保つ

会話は、これらの約束事を守ってはじめて成立します。

相手の同意なく話しはじめてしまったり、相手と向き合っていないままの会話はコミュニケーションではありません。適度な距離感を持つのは家族など身近な相手でも重要です。

② コミュニケーションは完了させること

コミュニケーションはキャッチボールと説明しましたが、投げたままボールが戻って来ない状態を「未完了」、投げたボールが投げ返されて戻ってくると「完了」になります。

この「完了まで」できてはじめてコミュニケーションが成立したことになります。

では、どうして会話が未完了で終わってしまうのでしょうか。
さまざまな要因が考えられますが、

  • 会話に対して間髪入れずに投げ返してしまう
  • 間がバラバラ
  • 沈黙を受け入れられない

などが関係していることもあります。
あなたも誰かと会話していて、心地よい話ができない相手だなと感じたことはありませんか。

  • 話の途中で遮ったり、自分の話ばかりしてしまったり…。
  • また提案をしたのに答えが返ってこない「返事がない」
  • 話をしているときに「同意」ではなく「評価」ばかりを加えてしまう
  • 否定的な意見のように聞こえる

など、いろいろあります。
会話は、必ず完了させることが重要で、そのためにも聞くことが重要になってくるのです。

会話のキャッチボールについての詳しい記事はこちらをご覧ください↓

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3、コーチングで覚えておきたい承認(アクノレッジメント)

コーチングのアクノレッジメント(認める・承認)とは、相手に対して興味を持ち、あなたのことをすべて受け止めますよ、そして、あなたをいつも見ていますよ、というメッセージを伝える方法です。

相手におきたちょっとした変化・成長・成果にいち早く気付き言語化します。

相手を承認することは、相手を褒めたり、称賛して気分を良くすることではなく、相手に対して鏡となって事実をきちんと伝えることにあります。

良いこともそうでないことも、すべて自分自身だからです。

肯定的な言葉で相手を認めてあげること、たくさん言葉にすることで受け入れてもらいやすくなります。

また、アクノレッジメントを相手に伝えるときは「I」「YOU」「WE」のそれぞれの立場からのメッセージを受け取ります。

  1. I(アイメッセージ)
    「私は…」を主語にして、相手に自分の気持ちなどをそのまま伝えるものです。自分の責任で伝える言葉になります。相手を叱るときや相手に行動を変えてもらう場合など有効です。
    例:○○のようなことをされると、私はとても悲しくなります。
  2. YOU(ユーメッセージ)
    「あなたは…」を主語にして、相手に伝える一般的なものです。喧嘩のときは相手の責任にしてしまう言葉になりますので相手の怒りを煽ります。逆に、相手を褒めるときには最も有効な伝え方になります。
    例:あなたは最後までやりとげてとても素晴らしい。
  3. WE(ウイメッセージ)
    相手との距離を近づけるものになります。
    例:あなたがしたことは、私たちにこんな影響を与えます。

アクノレッジメントについてちょっと難しいかな…と思ってしまう人もいるかもしれません。毎日のちょっとした成果や行動に対して気遣いやねぎらいの言葉をかけるだけでもアクノレッジメントに該当します。

職場では、「仕事ができるようになったね」とか「効率よく仕事ができるね」など相手の成長を促す効果もありますし、アクノレッジメントをかけてもらうだけでモチベーションを保つことにも繋がりますし、相手に気付きを与えることにもなるのです。

承認・信頼関係を築くに関する詳しい記事はこちらをご覧ください↓

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5、まとめ

会話はキャッチボールであることを認識しなくては、思い通りの結果になることはありません。アクノレッジメント等を取り入れながら、信頼関係を築くコミュニケーションを心掛けてくださいね。

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