過去に法人・個人事業主向けとして対応したビジネスに関しての問題・課題やそれらの解決に向けた事例を簡単にお伝えさせていただきます。
経営側として、管理業務としてなど、少しでもビジネスのヒントになれば幸いです。
事例7|介護施設での入居者に対する効果的なコミュニケーション・スキルとは何でしょうか?
相談内容:
介護施設にもいろいろあって、介護施設と呼ばれるものやサービス付き高齢者住宅といって自立されている高齢者が多い住宅などもあります。介護ケアスタッフになるためには研修を受講しなければならず、その中で傾聴することなどを含めコミュニケーションの大切さを学びます。
とはいえ現場での実践となるとまた別なお話しです。コミュニケーションが得意な方もいらっしゃいますし、そうでない方もいるでしょう。
入居者から見てとても信頼される方はどの施設にもいらっしゃいますし、そうでない方もいるでしょう。そんな中で、必要最低限、どんな共通するスキルがあればいいのか、というご相談がありました。
解決策・提案:
前提としてですが、こちらはシステマチックに対応しているだけなのに、相手からは「この人は私のことをわかってくれている」もしくは「わかろうとしてくれている」と観じていただけるようになればそれがベストです。
ただし、相手に対してどんなに表面的なスキルを活用しても、こちら側の人間性のようなものは必ず滲み出てくるものだということ、も同時に意識しておくことは必要だと思われます。
ここではスキルを4つご紹介いたします。
別に高齢者だからという理由ではなく、一番大切なことですが、「相手が、この人は自分の話をきちんと受け止めてくれる人だ」、と無意識に観じてもらえるようになることです。
普段から私たちは、自分から見てこの人はちょっとなあ~、結構良い人だなあ~、とか判断しています。それを施設の入居者から職員は常にされているのです。介護度の度合いによってそれを言葉にできない人が多いだけなのだということを忘れてはいけません。
良い人に見られることが目的ではなくて、相手から信頼の橋を築いてもらいやすくしていくのです。そうすることで良い交流ができて、結果的に言う事を聞きいれてもらえやすくなります。
1 オウム返し
相手の言ったことに対して、頷いたり、「そうですね」と言って返すのもいいのですが、できれば、相手がどんな状態であっても、相手が言った言葉をもって返すことを鉄則にした方がいいでしょう。
日常会話でもそうです。
認知症が進んでいる場合は、急に怒ったり感情が不安定になる場合もありますが、そんな場合でも、まずは相手の言葉をそのまま返してあげることを続けると少しずつ心を開いていくでしょう。
自立している方に対しては、時折「〇〇さんが言いたいことは、〇〇〇〇ということでよろしかったでしょうか」などと要約して返すようにすると、さらに効果的ですし、好感度も上がります。
受け入れられたと観じてくれる「オウム返し」は強力なスキルになります。
2 質問をしてあげる
さりげない会話の中で、小さなことでも質問してあげることで、私のことに興味をもってくれている、私のことを嫌いではないんだ、と観じてくれます。
相手を問い詰めるような詰問はだめです。あくまでも質問です。
3 触れる
ユマニチュードという認知症ケアで取り入れられている方法に、相手に触れる、触れながら会話をす手法があります。相手から触れられていると、私を受け入れてくれているんだ、この人は優しい人だと観じてくれます。逆に、一定の距離間を持たれると興味がないんだな、と感じますよね。
4 褒める <女性の場合は特に>
現在高齢者の方は、昭和初期に生まれた方で、男尊女卑の中を生きてきた方が多くいます。日本人は特にそうですが、あまり人をほめません。愛しているともいいません。ハグなんかするはずもありません。
女性は本能的に綺麗であろうとしますから、褒めてもらうと元気になっていくものです。男女問わずに褒められて嫌になる人はいませんが、特に女性に対して、外見や内面を褒める部分を探して、言葉にして伝えることを習慣にしてください。褒める人に対して必ず好意的に接してくれます。
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