信頼関係(ラポール)を築く①:初対面の相手と距離を縮めるラポール・テクニック

NLP心理学の考え方の一つに「ペーシング」と呼ばれるものがあります。初対面の相手との距離を縮めて信頼関係を築く上でも欠かせない方法になり、円滑な人間関係を築くうえでも重要なものです。

他者とのコミュニケーションがうまくできない人にとっても、ペーシングの考え方は学べる部分がたくさんあります。NLP心理学のペーシングについて、特徴やケーススタディ、注意点など抑えておきたいポイントについてどこよりも詳しく説明します。

1、NLP心理学のペーシングとは?

相手の言語や非言語に合わせることによって、無意識レベルで深い関係を築いていくことです。話をしている相手の仕草に合わせたり、声の調子を合わせて会話を進めていきます。例えば声の調子や話すスピード感だったり、音程の高さや低さ、声の大きさ、リズムなどです。

感情の起伏などもできるだけ相手に合わせていきます。呼吸をページングするときはできるだけ同じ呼吸のリズムになるように整えます。相手の肩や胸などの動きを観察しながら呼吸をあわせていきます。

そうするとお互いの距離が急速に縮まり、親近感を感じたり安心感を感じやすくなるというものです。同じような口調の人に対して「話しやすいな」と思った経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

逆に早口で話す相手とゆっくりとした口調で話す人ではなんとなく合わないな…と感じるものです。相手に何かを伝えたいと思うとき、自然と口調や声のトーンを合わせているものです。

ページングは意識しているレベルではなく、無意識レベルで相手とのラポール(信頼関係)を築きやすくなる方法として、私生活はもちろんビジネスや学校などさまざまな場面の人間関係に役立つ方法だといわれています。人間には自分では意識していない部分があり、そこに波長を合わせることによって、相手への警戒心を弱めることができます。

2、ページングは類似性の法則にも繋がるもの

よく心理学等で使われる類似性の法則を誘発するものになり、活用するものです。同じような感覚を持つと心をオープンにしやすくなるといえばわかりやすいと思います。昔から“類は友を呼ぶ”というように、自分と同様の好みや考え方を持った人に好意をいだきやすくなります。

逆に好きなものが異なると、考え方や価値観が違う相手と判断してしまい、お互いの距離が縮まらないこともあります。初対面でこれが明確になってしまうと、お互いに距離ができてしまいその後関係性を発展しようとしても難しいのです。

そもそもどうして人は自分と同じ価値観や考えを持っている人に対して親近感を持ちやすいのかというと、同じような考え方をする相手がいるということは、自分の価値観は正しいと証明されることが好意に繋がります。

ページングは他者とのコミュニケーションの最初のステップと覚えておきましょう。他者との人間関係に悩んでいる人はまずは、ページングから取り組んでいく必要があります。また、セラピストやコーチなど相手と接する機会の多い人は身に付けておくべきスキルともいえます。

意外かもしれませんがページングは実際に相手が目の前にいなくても使える技術の一つともいわれていて、仕事ではメールや文章・ビジネスレターなども、ページングの知識や考え方を活かすことができるとも言われています。ページングが活躍できる場所はたくさんあります。

3、ページングの基本は相手を観察すること

ページングを行う為に欠かせないのが“キャリブレーション”といい、ようは相手を観察することです。一見何を考えているのかわかりにくい相手の心理状態ですが、よく観察してみると表情やちょっとした仕草に表れています。

例えば仕事などで「申し訳ございません。」と謝罪の言葉を言ってはいるものの、表情や口調から「本当はそう思っていないな」とか「納得していないな」と感じた経験はありませんか。「わかりました」とは言っているものの違和感を感じるなど、日常でもふと思うこともあると思います。

ようは相手の言語と非言語が一致していない状態なので、違和感を感じるのです。ペーシングの基本を熟知していてコミュニケーション・スキルに長けている人は、どんなふうに話をしているのかを観察しています。

相手の表情はもちろん、話し方や姿勢・仕草などじっくりと観ているので相手が今どんな気持ちでいるのかを読み解くことができるのです。これができていないとページングはできません。相手の情報を観察して分析しているからこそ、ページングが成立するのです。

4、ページングは常にリーディングと表裏一体、注意点は

ページングを考えるときに必ずセットになる考えを“リーディング”といいます。ページングを通してお互いの信頼関係が成立すると、本格的な変化を引き起こしします。それをリーディングといいます。

ページングで信頼関係を築いたあとに行います。ページングができていない相手へのリーディングは、大きく否定されてしまいあなたが望んでいるような変化を引き起こすことはできません。

両者は相互関係があると考えられており、ページングをするだけでリーディングをしないのでは意味がありません。両方のバランスが取れてこそ、ページングの意味をなすことを覚えておきましょう。ページングをすることばかりを考えてしまい、そのあとの変化について具体的なイメージが持てないのであれば両方にバランス良く取り組んでいくことも大切です。

また、ページングの注意点として信頼関係は自分一人で築けるものではなく、相手あってのことであることそのため焦って関係を狭めようとしてもうまくいかないこともあります。人によっても考え方も変わりますし、もともと警戒心が強い人もいればそうでない人もいます。ページングがうまくいくとばかり思い込まず、コミュニケーション・スキルとして時間をかけしっかりと修得することが大切です。

5、まとめ

信頼関係を築くラポールのなかでもファーストステップになるのがページングです。これができていないと前には進みませんし、相手を変えることはできません。信頼関係は焦らず築きあげていくこと、ページングができればコミュニケーション・スキルの向上にも繋がります。