相手に意図を伝える伝え方4ステップ:アサーティブで効果的な相手への伝え方

あなたは「アサーティブコミュニケーション」という言葉を耳にしたことはありませんか。
自分の意見や気持ちを適切に表現する方法の一つになるのですが、日本人が最も苦手とする分野でもあります。

そして学校等では誰も教えてくれない方法になり、職場はもちろん家族や恋人・夫婦間などさまざまな場所で役立ちます。アサーティブとはどんなものなのか?またケーススタディも併せてご紹介していきます。

1、アサーティブとは

アサーティブは英語では「Assertive」と書き、「言い張る」や「断言的」などの意味合いを持っています。自分の意見や気持ちを表現する手段ではありますが、自分と相手が対等であり、相手の意見を尊重する気持ちも含まれます。

最近生まれた言葉のように感じるかもしれませんが、実はアサーティブの歴史は1949年にまで遡ります。アンドリューソルター氏が条件反射療法を発表したときに、人間がもともと持っている活動性は社会的な模範によって抑制されてしまうとしたのです。

実際に広がりを見せたのは、1960年以降の黒人差別などが問題になってからでもあり、自己主張の方法として知られるようになりました。

そもそも人間の主張方法には3つの種類があると言われています。自分の気持ちを尊重し勝ち負けへの執着心が強いのが「アグレッシブ」、相手の気持ちを尊重するあまり自分の気持ちが伝えられない「ノンアサーティブ」、両者のいいとこ取りをした「アサーティブ」がります。

その場に必要な表現を適切に使い分け、相手の気持ちを尊重できること。また自分の主張もはっきりとできるので、もし相手と意見が対立したとしても納得できる答えや結論を導き出せる力です。

2、アサーティブの手順とは

アサーティブは効果的なコミュニケーションの手段の一つでもありますが、実践するためにも覚えておいてほしいポイントがあります。4つの手順に沿って説明していきます。

手順1.  Describe

日本語で“事実を伝える”意味を持つ言葉です。主観的な意見は一切含めずにより客観的な目線で具体的に意見を述べます。
「待ち合わせに5分遅れてきた」
「お肉を買ってきて欲しいと伝えたのに忘れている」
「誕生日に会う約束をしていたのに来なかった」
「頼んでいた資料を忘れている」

など、どれも抽象的な表現ではなく一言聞いただけで何に対して意見を述べたいのかが明確にわかりますね。逆にDescribeできていない表現としては「あなたは私のことが好きじゃない」や「君は仕事ができない」など具体性がありません。

手順2.  Explain

“自分の気持ちを伝える”ことで、今度は主観的な内容を相手に伝えます。自分を気持ちや意見をより率直に相手に伝える必要があります。冷静でなくなるとアグレッシブのように攻撃的な表現や態度になってしまうので注意。

待ち合わせに遅れてきたことに対して伝えるのであれば「遅れてくるなんて珍しいから心配したよ」。仕事であれば「いつもはミス無くこなしてくれるので信頼していたのに、なにかあったの?」などがExplainにあたります。

ただし言葉にして伝えるときに「~感じている」「~感じた」にしてしまうと、主観性が失われ相手に言葉として伝わらなくなってしまいます。

手順3.  Specify

“要望を伝える”ことで、自分が何を求めているのかを相手に伝えます。抽象的過ぎる表現だと相手に伝わらないこともあるので、より具体的に表現することが大切です。例えば「遅れるなら連絡の1本はして欲しい」とか「仕事に集中できないなにか事情があるなら話して欲しい」と要望を言葉にすれば、相手にとってもこうやって伝えていればよかったのかと気付きにも繋がります。

「遅刻するなんて私のこと嫌いなんでしょ」「仕事にやる気がない」などの指摘をしても具体性がないので、何を改善していいのかわかりません。

手順4.  Choose

“行動の選択”になり、要望に対して相手が承認したのか拒否したのかによって変わります。自分が行う行動を相手に伝えるので遅刻であれば「連絡を貰えれば待っていてあげるから」ですし、「仕事でうまく行かないときは話も聞くしたまには飲みに行こうよ」など。

手順を踏んでいくと、事実を伝える→自分の気持ちを伝える→要望を伝える→行動の選択の順番で進んでいくことがわかると思います。

3、アサーティブは効果的な伝え方の手段

アサーティブでは、上下関係や力を使って無理に相手をコントロールすることを良しとしません。あくまでも「対等」な立場であり同じ人間であると考えます。職場で何でも怒鳴り散らす上司や先輩よりも、部下や後輩に対しても対等な態度で意見を述べたり接してくれるほうが嬉しいですよね。

また、相手に意見を述べるときもくどくどと回りくどい表現をせずにできるだけシンプルに相手に伝え、言葉にする必要があります。また自分が決めたことに対して起きた結果にも「自己責任」を持ち、真摯に向き合う「誠実さ」がアサーティブの基本です。

たとえば
「何度も伝えているはずなのに気持ちが伝わらない」
「どうせ言っても理解できないし、無理でしょ」
「そんなつもりじゃなかったのに誤解され、嫌な思いをした」
「自分の気持ちを表現したいのにうまく伝える自信がない」
など、アサーティブを使えていないだけの可能性があります。

夫婦間で会話をするときに
「なんであなたは私のこと大切にしてくれないの!」と怒るよりも、
「もっと家事を手伝ってくれないかな?洗濯ものを畳むだけでも助かるんだけど」
「私も仕事で疲れているから、たまには惣菜の日を作ってもいい?」
どちらのほうがわかりやすいかは明確ですよね。

4、まとめ

アサーティブコミュニケーションでは、本当に自分が伝えたかったことを相手に表現したり言葉にすることができ人間関係の円滑化にも繋がります。日本人が最も苦手とする伝え方を変えるだけでも、心地よい人間関係作りに繋がります。