効果的な褒め方・叱り方

日々の生活のなかで、部下や後輩が思い通りに動いてくれずミスや作業に遅れが出てしまったり、友人関係でも伝え方一つで距離ができてしまうなどさまざまなことでうまく行かない葛藤に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

思い通りにいかないことが続くとついイラッとして叱ったり怒鳴ってしまったり、ときには褒めたつもりが逆効果になり嫌な気分にさせてしまった経験はありませんか。褒め方や叱り方というのは意外と難しいもので伝え方一つで違った結果になってしまいます。

それぞれの効果的な方法を説明します。

1、NLP心理学の基本!ニューロ・ロジカル・レベルに答えがある

正しい褒め方・叱り方について説明する前に、以前ご紹介したNLP心理学の「ニューロ・ロジカル・レベル」と呼ばえる物を覚えていますか。コンサルタントとしても有名なロバート・ディルツ氏が考え出した“意識の5段階”と呼ばれるものです。

※以下の記事もご参考ください↓

意識の5段階 ニューロ・ロジカル・レベル
NLP心理学の代表的な人物の一人であるロバート・デュルツ氏が提唱したことでも知られているのが「ニューロ・ロジカルレベル」です。人間が物事をどうやって捉えているのかを「環境」「行動」「能力」「信念・価値観」「セルフイメージ...

①自己認識 > ②信念・価値観 > ③能力レベル > ④行動レベル > ⑤環境レベル
※5段階に分類されていて「自己認識」が一番大きな影響力あることが分かります

この段階で見ていきますと…

  • 相手を褒めるとき…「信念・価値観」や「自己認識」に焦点をあてます
    そうすることで、自己肯定感が満たされ、相手はうれしく感じます
  • 相手を叱るとき…できるだけ「行動レベル」に焦点をあてて、行動変容を促します
    そうすることで、自己否定感がなく、相手は傷つくことなく効果的に伝えることができます

 

ここがポイント!

例えば、相手を叱るときに、その人の考え方やその人が大事にしている信念に対して否定したり、注意すると、自己否定されたように受け取られますし、「おまえは〇〇だ!」と否定することは、自己認識を否定するのと同じですから、その人を全否定することになってしまいます。

そうするとショックも大きくなりますし、心に深いキズを負ってしまったり、怒り出す人もいるでしょうが、それにはこのような理由があるからです。逆に、この部分を褒めると自己肯定感が強く生まれ、大変うれしく思うはずです。

内面については叱るときにはぜひ注意してください。

2、効果的な褒め方のケーススタディ

効果的な褒め方の一例を紹介します。

部下を褒めるとき

  1. 環境レベル「仕事がんばっているね!」
  2. 行動レベル「頼んでいた資料も納期までに仕上げてくれてありがとう!」
  3. 能力レベル「あなたの仕事はミスが少ない。安心して仕事を任せられる!」
  4. 信念・価値観「あなたの〇〇という考え方は本当に素晴らしい!」
  5. 自己認識「あなたは本当に〇〇のプロフェッショナルだね!」

子どもに勉強を褒めるとき

  1. 環境レベル「宿題やっているね!」
  2. 行動レベル「宿題を毎日欠かさずやっているのが偉いね!」
  3. 能力レベル「計算能力が得意だから数学のテストの点が高くなるんだね!」
  4. 信念・価値観「〇〇になるために勉強を努力している姿が偉いね!」
  5. 自己認識「努力家だし、〇〇の天才だね!」

数字が大きくなればなるほど褒められる気持ちが大きくなります。もちろんその人によって言葉の捉え方には違いがありますが、レベルを意識して相手に伝えるだけでも自分の存在が認められていてやる気も出るし頑張っている姿を見て成果を出したいとも思います。

次に叱るときのケーススタディを見ていきましょう

  1. 環境レベル「仕事が間に合わなかったのは繁忙期のせいだね」
  2. 行動レベル「もう少し早く取り組んでいたら間に合ったかもしれないね」
  3. 能力レベル「仕事が間に合わなかったのはあなたの能力不足だね」
  4. 信念・価値観「仕事を間に合わせる気持ちが足りなかったんじゃないの?」
  5. 自己認識「仕事に対しての意識が低すぎる」

叱る時に信念や価値観・自己認識を指摘してしまうと落ち込んでしまうばかりか仕事に対してのやる気がわかなくなってしまいます。

叱るときは“行動に対して叱る”が基本です。結果はすでに出ていますしいまさら変えることもできません。本人はそのことをわかっているので、くどくど指摘されても心に響くはずがないのです。そのため叱る方法としては最適なものとはいえません。

3、まとめ

人を褒める・叱るとは思っている以上に難しいことでもあり、間違えた方法で行ってしまうと相手のやる気を損なう原因になってしまいます。部下や後輩の仕事に対してのモチベーションを下げてしまっているのは、あなた自身かもしれませんよ。

また感情的になったりそのときの感情で怒鳴り散らすような怒り方は逆効果になるので止めてくださいね。逆に褒めるときはその人の存在意義や自己認識に響くように褒めることが大切です。