不調和な職場環境をつくるダメ上司の言動

働く上で、職場の環境は重要です。

職場の環境が良好であれば、仕事へのやる気やチームワークが向上し、生産性も高まりますが、時に上司の言動が職場の雰囲気を悪化させ、従業員のストレスや不満が高まることもあります。

ここでのダメな上司像とは、コミュニケーションの欠如があり、部下との信頼関係を壊す行動を行いがちで、職場の環境を悪化させ、結果的に社員のモチベーションを低下させ、人間関係の悪化を招くことがあります。

それはつまり、職場の生産性を低下させていることになるわけです。

本記事では、ダメな上司の特徴や言動を理解し、その影響を最小限に抑える方法を模索しつ、ダメ上司と上手く付き合う方法について考えていきたいと思います。

1、コミュニケーションの欠如

コミュニケーションは、職場環境を良好に保ち、従業員間の協力を促す重要な要素です。

つまり、コミュニケーションが円滑に行われ、ミス・コミュニケーションが少ない職場は、結果として生産性が高い職場といえます。

しかし、ダメ上司はコミュニケーションの欠如が顕著で、以下のような言動が原因で職場の不調和を生み出してしまい、生産性が低くなります。

  1. 一方通行の指示や命令
    ダメ上司は、部下に対して一方通行の指示や命令を行う傾向があります。これにより、部下は自分の意見やアイデアを上司に伝える機会を失い、職場の創造性や柔軟性が低下してしまいます。
    効果的なコミュニケーションを促すためには、上司が部下の意見を受け入れ、オープンな対話を奨励することが重要です。
  2. 部下の意見を無視する態度
    ダメ上司は、部下の意見や提案を無視することがよくあります。無視をしているのではないかもしれませんが、意見や提案をしてもいつまでたっても、答えが返ってこないというものです。
    その提案は良いのか、実施する価値がないのか、今はできないけどいずれ実施するものなのか、答えがないまま時間だけが過ぎ、未完了になったままになってしまいます。
    こうなるとフラストレーションがたまります。上司は本来、部下の意見を真摯に聞き、適切な評価やフィードバックを行い、職場の信頼関係を築かなければいけません。
  3. 責任をあいまいにする
    ダメ上司は、自分の責任を認めたがらないのか、問題が発生した際に誰の責任なのか、所在を明らかにしようしようとしない傾向があります。結果として暗黙の転嫁になってしまっています。
    これにより、部下は不安やストレスを抱えることになり、職場環境が悪化する原因となります。ダメ上司と向き合う際には、責任の所在を明確にし、適切なコミュニケーションを心掛けることが重要です。
  4. 適切なフィードバックができない
    ダメ上司は、部下のパフォーマンスに対して適切なフィードバックを行わないことがあります。
    フィードバックが不十分だと、部下は自分の成長や改善ができないか、やりにくいはずです。上司は定期的に部下との1対1のミーティングを行い、具体的なフィードバックを提供することが望ましいことなのです。

これらの問題を少しでも良い方向に向かわせるには、上司に対して、どうしてほしいのかを具体的に提案し、それを繰り返し伝えていくことが必要となります。

2、ダメ上司の言動がもたらす職場環境の悪化

ダメ上司の言動は、職場環境に悪影響を及ぼします。

まず、上司のコミュニケーション能力に不足があると、部下の仕事に対するストレスを増やすことがあり、そのストレスが溜まっていくと、仕事の質が低下していきます。

  • 部下の意見に耳を貸さないし、すぐに丸投げしてくる
  • 部下の不平不満はそのまま改善点に繋がるはずが、何をいっても適当にスルーし受け止めてくれない
  • 成果ばかりにこだわり、自分の考えや意見だけを押しつけてくる
  • 部下との気持ちやチーム全体にペーシング(意識を合わせる)をしない
  • 縁の下のサポートなど、成果に直接繋がらない陰の努力に気が付いてくれない

このような状態で、意識のズレが生じてしまい、部下にフラストレーションを貯めて、働く意欲を低下させてしまいます。

生産性の法則

人間は、一人一人違った個性があり、能力も違って、ビジネススキルも違います。
このような中で、組織力を引き出すには、何が必要なのでしょうか?
 
その鍵を握るは・・・1:1.6:(1.6の二乗)という法則 です。

社員が普通に仕事をしている場合を、「1」としますと、経営者と社員の間に、信頼関係が築かれている場合、約1.6倍の力を発揮して働くことになるんです。

ところが、信頼関係が築かれている状態で、自発性をもって仕事ができる環境が加わりますと、1.6の二乗作用が発生し、つまり、通常の3倍近くまでパワーアップして働くのです。

逆にいうと、ミス・コミュニケーションの発生が続くと、通常の「1」ではなく、0.9、0.8、0.7…といったように、結果的に生産性が低くなってしまいます。

モチベーションが低下することは、社員の業務効率が悪化し、組織全体の生産性にも影響を与えていく、組織を蝕む病と同じです。

3、職場環境の改善やダメ上司との向き合い方

この章では、ダメ上司との向き合い方や職場環境の改善方法について考えていきます。

まず、ダメ上司への適切なフィードバック方法についてです。

ダメ上司に対するフィードバックは、具体的かつ建設的であることが重要です。

フィードバックを通じて、相手の立場や感情を理解し、適切なタイミングで伝えることで、上司の言動や態度の改善を促すことができるかもしれません。

本来は、経営者や上司が、マネジメントまたはリーダーシップの一環として部下に対して信頼関係を築きながら組織力をアップしていくものでしょうが、ダメな上司の元にいるのであれば発想を転換していかないといけません。

つまり、あなたが自分の仕事をこなすために、あなたの方が上司に対して信頼されていくようなスキルを投じていきます。なぜなら、自分のやりたいことを少しでも実行できるようにするためです。

だからと言って媚を売るのではありません。

きちんとした理由があって管理職になっているはずですから、まず、仕事としての考え方や価値観を確認し、押さえておきます。

特に、何が上司にとって嫌なことなのかを深掘りして確認しておきます。そして、その嫌なことをせずに且つ自分のやりたいことを実行できる提案を行っていきましょう。

ダメ上司とのコミュニケーションを改善するためには、相手の価値観や感情を尊重し、相手が話を聞いてくれる状況を作ることが重要で、具体的な要望や提案を用意し、建設的な対話を促すことで、上司との関係改善が期待できます。

自分の考えや意見、本当の気持ちを明確に伝える方法、自分のやりたいことを上司にとおさせる方法はこちらの記事に詳しく書いていますのでぜひご覧ください↓

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その場合、もし可能であるのなら、一人で孤立してしまわないようにダメ上司と同等か、それ以上の地位の人に、現在の状況と今行っている対策を相談しておくことをおすすめします。
第三者の耳に情報として入れておくことで予防線を張っておきます。

なぜ部下なのに、ここまで気を遣わないといけないのか、と感じてしまいますよね。

考えたくもないかもしれませんが、その嫌な上司と接することに自分にとって何かしらの重要な意味がある、と捉えることも必要でしょう。

それは、反面教師にすることかもしれませんし、もしかすると、考え方や行動など、何か自分と似たようなものがあり、それを本質的に教えてくれているのかもしれません。

いずれにせよ、「あっ、〇〇という理由でこのダメ上司といっしょに働いているんだ」というメッセージを受け取る捉え方をすることです。

必ず人生の学びになっていて、後々役にたつのは確かなことです。

「そのために、今、最善を尽くす」これだけです。

まとめ

本書では、ダメ上司の言動が職場環境に与える悪影響とその対策方法を解説しました。

コミュニケーションの欠如、信頼関係を壊す行動、職場環境の悪化など、ダメ上司の特徴や言動を理解することで、問題に対処しやすくなります。

ダメ上司との向き合い方や職場環境の改善方法を学ぶことは、ストレスの軽減や自己成長につながります。

今後も、ダメ上司との関係や職場環境の改善に努めながら、自己成長や職場環境の向上に向けて、継続的な取り組みを行うために最善を尽くしていきましょう。

職場環境の改善は、一人で悩むよりも周りの人たちと協力しあうことで、より効果的な結果が得られることを忘れずに、前向きな取り組みを続けてください。

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