リスクの把握・事故予防のためにハインリッヒの法則を活用しよう!

ハインリッヒの法則とは、安全管理の分野で使われる考え方であり、事故が起こると、その背景には多くの原因があるとされています。

この法則を仕事に応用することで、仕事の失敗やトラブルを未然に防ぎ、効率的な業務を実現することができます。

本記事では、業務のリスク評価、業務の改善点を見つける、トラブルが起きた場合の対応策など、具体的な活用方法をご紹介いたします。

これらの方法を使うことで、仕事の品質を高め、ストレスフリーな環境で働くことができます。

1、リスクの把握

ハインリッヒの法則は、「1:29:300」という数字を使って表されます。

「1:29:300」という数字は、1つの重大事故が発生するに至る前に、29件の軽微な事故やインシデント、そして300件の無傷事件が発生することを示しています。

この法則から、事故を未然に防ぐためには、軽微な事故や無傷事件に注目し、それらを把握することが重要とされています。

仕事においても同様で、小さなミスやトラブルに目を向けることが、大きな問題を未然に防ぐことにつながります。

そのためには、リスクを把握することが必要です。
リスクマトリクスやリスクアセスメントなどのツールを使って、仕事におけるリスクを洗い出し、優先度をつけて対処することが重要です。

リスクマトリクスは、事故や災害などが起こる確率とその影響の大きさをグラフに表したものです。

簡単に言えば、起こる可能性とその影響の大きさを考えることで、どのようなリスクがあるかを理解することができます。

リスクアセスメントは、ある作業や行動を行う際に、どのような危険があるかを評価することです。

例えば、高所作業をする場合には、転倒や落下、怪我などが発生する可能性があります。それぞれの危険の発生確率や重要度を評価することで、どのような対策を講じる必要があるかを判断することができます。

これらの手法を使うことで、仕事におけるリスクを把握し、事前に対策を講じることができますし、リスクを把握し、対策を講じることで、事故やトラブルを未然に防ぎ、仕事の効率化につながります

リスクを事前に予測し、対処策を考えておくことで、トラブルや問題の発生を減らすことができます。これにより、時間やコストの節約にもつながります。

つまり、ハインリッヒの法則を仕事で活用するために、リスクを把握することが必要であり、リスクを事前に予測し、対処策を考えることで効率化につながるということです。

2、事故の予防

ハインリッヒの法則は、事故の発生に至る過程に注目することで、事故を予防することができるという考え方です。

事故が起きる原因を特定するために、ハインリッヒの法則は、1:29:300という数字を使います。

つまり、重大な事故が起きる前には、300件の軽微な事故やインシデント、29件の負傷事故があったということになります。

事故を予防するためには、これらの危険な状況や行動を特定し、改善する必要があります。

作業中の転落事故という重大事故の場合

「1件の重大な事故」を「作業中の転倒事故」とした場合の「29の軽微な事故」の具体例です。
具体例を挙げることが目的ですので内容よりもどんどんアウトプットして精査することが大切です。

  1. 机の角に足をぶつけた
  2. 紙を取ろうとして転倒した
  3. コンセントを間違えて差し込んでしまった
  4. 車両操作中に部品を誤って破損させた
  5. 立ち上がった際に頭部を天井にぶつけた
  6. 手すりをつかまり忘れ、転倒した
  7. ファイルを開いた際に指を挟んだ
  8. 洗浄作業中に飛び散った水滴で滑って転倒した
  9. 開いた引き出しにつま先をぶつけた
  10. モップで床を拭いた後に転倒した
  11. 椅子から立ち上がった際に足を滑らせた
  12. 荷物を持ち上げようとして腰を痛めた
  13. 開けようとしたドアに手を挟まれた
  14. 高いところから落下しそうになったが、つかまり切れた
  15. 机上のものを取ろうとして肘でカップをひっくり返した
  16. 机上のものを取ろうとして転倒した
  17. ペンを拾おうとしてつま先をぶつけた
  18. 歩きながら話していたら足をすくわれて転倒した
  19. 重い物を持ち上げた際に腰を痛めた
  20. ゴミ箱を持ち上げた際に腕を痛めた
  21. 立ち上がった際にズボンの裾を踏んで転倒した
  22. コピー機のドアを閉める際に指を挟んだ
  23. 椅子に座った際に腰を痛めた
  24. 歩行中につまづいて転倒した
  25. デスクライトの電球を取り替えようとした際に腕を痛めた
  26. 机上のものを探そうとしてひざを強打した
  27. 椅子に座る際につまづいて転倒した
  28. 作業中に紙やプリンターのトナーなどで汚れた
  29. 積み重ねた物のバランスを崩して転倒した

ヒヤリハットは、軽微な事故一つに対して平均10個ほどあることになります。
上記項番1に対するヒヤリハットをいくつか考えてみましょう。

  1. 荷物を持ち上げようとしたが、重量が予想以上で持ち上げきれなかった
  2. 荷物を持ち上げた際に、滑って手が滑りそうになった
  3. 荷物を持ち上げるときに、別の物とぶつかりそうになった
  4. 荷物を持ち上げた際に、自分のバランスが崩れそうになった
  5. 荷物を持ち上げる前に周囲を確認していなかった
  6. 荷物を持ち上げた瞬間に、手に痛みが走った
  7. 荷物の形が予想と違って、持ち上げ方を迷った
  8. 荷物を持ち上げた際に、他の人にぶつけそうになった
  9. 荷物を持ち上げた後、手首に痛みが残った

など、他の軽微な事故に対してのヒヤリハットを振り返ってみましょう。

ハインリッヒの法則は、事故の予防だけでなく、クレームを減らすための対策であったり、さまざまな活用方法ができます。

事故を予防するための分析の手段を活用することで、生産性の向上に大きくつなげることができます。

まとめ

ハインリッヒの法則を仕事で活用することで、リスクを把握し、事故を予防することができます。

この法則を活用することで、仕事の効率化や生産性向上につながります。

リスクマトリクスやリスクアセスメントなどのツールを活用し、リスクを把握し、事故を予防することを心がけましょう。

また、事故が起きた場合には、原因を徹底的に分析し、再発防止策を立てることが重要です。
ハインリッヒの法則を仕事に取り入れることで、安全で生産的な職場環境を作り出すことができます。