コーチングでは何かと“フィードバック”というフレーズを耳にすることがあります。主にクライアントが見えている姿や、声、語られていることを客観的事実として伝えること、それを見て聞いてコーチが感じたことを主観的事実として伝えます。コミュニケーションとしてもっとも重要なものですが、自分のスキルとして定着しにくいもの。フィードバックとは主にどのようなものなのかを明確にしていき、コーチングに活かしていきましょう。
1、記述的なフィードバックとI(アイ)メッセージのフィードバック
記述的とは、相手の行動をできる限りより明確に、見たままや聞こえたまま客観的に伝えることをいいます。例えば「会議で話をしている間、居眠りをしていました」「出社してもすぐには仕事に取り掛からずダラダラしています」など客観的な視点を言葉にします。フィードバックとして伝えるときは、伝える側の主観的な感情や考え方が入らないように注意してください。例えば「会議で居眠りをするなんてありえない」といえば、あなたの主観を相手に伝えていることになります。
Iメッセージは、その人に対して見て聞いたことを主観的な事実として伝えるものになり、記述的なフィードバックとは反対の意味を持つものです。伝え方としては、自分の生体内で感じた反応や内側で思ったことを伝えるものと、相手のノンバーバルから伝わってくるものを伝える方法です。
ノンバーバルとはコミュニケーションの1つで“非言語コミュニケーション”と呼ばれることもあります。人間の五感を用いて行うコミュニケーションで、人間の第一印象にも繋がります。ただしただ思ったことを伝えるだけではなく、自分の発言に責任を持つことも重要です。それがあってはじめて相手に伝わります。
2、フィードバックをコントロールするリクエストとは
思っても見なかった相手からいきなりフィードバックを受けると、それがストレスになってしまうこともあります。ようはフィードバックをされてしまった立場になるのです。これだと自分が求めているとき以外にも客観的・主観的に指摘されるようになるので、フィードバック自体が苦手に鳴ってしまう人もいます。フィードバックを調整するための「リクエスト」について説明していきます。
フィードバックを相手に求めるとき、なんとなくの内容を伝えてしまっていませんか。どんな内容に対してフィードバックがほしいと思っているのかを、自分で認識しわかりやすく相手に伝える必要があります。箇条書きのリストにするとわかりやすいかもしれません。
3、フィードバックの受け取り方にも要注意
フィードバックを受けるとき、どうしたら相手に対して誠心誠意向き合っていることになるのか判断するのは難しいものです。フィードバックを受けるときに、相手の話に相槌をうったり大げさな反応をするべきだと思いこんでいる人がいるのですが、相手の話を集中して聞き、黙っているほうが話をしっかりと聞き取れますし受け取ることができます。もちろんフィードバックの受け取り方は、人によっても変わります。フィードバックを聞いているときに、どんな聞き方が相手に対して真正面から受け取ることができるのかを考え、いろいろ試してみてください。
また、相手の話を聞いていて少しでも違和感があるときは、そのまま話を聞き流さずに振り返る時間を定期的に取るようにしてください。コーチングを通して今どんなことを感じているのか?他にも伝えたいことやリクエストがないのかを明確にします。コーチングを振り返ることを“メタコミュニケーション”といいます。
4、まとめ
フィードバックは記述的なものと、Iメッセージの2種類があります。フィードバックを受け取る側の姿勢も重要ですし、わからないことがあればその場で確認してはっきりとしたうえで進めるようにしてくださいね。Iメッセージは、自己責任で伝える愛メッセージでもあります♡