コーチングとは、優れたリーダーのコミュニケーションを観察して作り出したものです。実際にコーチング事態は実践されているものであり、良好なコミュニケーションを築く為にも必要なものです。覚えなくてはいけないことがたくさんありますが、そのなかでも必ず押さえておきたい基本的なコーチングスキルを紹介します。

1、クライアントとの関係を構築するアイスブレイク・ペーシング

コーチングでは相手に行動を促す必要がありますが、そのためにもお互いの関係を構築することが求められます。一番はじめの段階としてクライアントが話しやすい環境を作る必要があります。

自由に物事を考え意見や考えが言い出せるような環境でないと、そもそもコーチングは成立しません。適切な距離はもちろん、相手の表情をよく観察したり質問の内容、共通点などクライアントへの配慮も必要になります。

まず、アイスブレイクですが“その場の空気を打ち解けさせる”といった意味があります。まず初対面の相手に対して緊張している人がほとんどですが、まずはそれを認めて相手に寄り添っていきます。

話しやすいことから訪ねてみるのもそうですし、緊張していることを相手に伝えてしまうのも方法の一つです。コーチングだけに限らず初対面の人や、打ち解けにくい相手に対しても使える手法のようなものです。

次にペーシングとは、“相手に合わせること”です。話すスピードやリズム、話の内容、声のトーン、姿勢・表情などを合わせて味方であることを伝えます。このペーシングは、言葉で表現する「ハーバルペーシング」と、その他で表現する「ノンハーバルペーシング」があり、両方を適切な方法で行い親近感や味方であることを表現します。

2、話を聞くこともコーチングの基本

人間にとって一番恐れていることは孤独です。話を聞かれていない=孤独感を感じ自分の殻に閉じこもってしみます。話を最後まで聞くことによって、動機づけにも繋がります。そもそもどうして話が聞けないのかというと、「先入観」が邪魔をしている可能性があります。

例えば人間は自分にとって不都合な話の内容は無意識のうちに話を阻害してしまいます。でも、コーチングで話を聞くのであれば相手の存在を承認するのはもちろん理解する姿勢も重要なものです。

人間はすべての情報を平等に受け取っているのではなく、受け取ると決めたものだけを受け取るようにできています。人間は1分間の間に600~800の言葉を同時に聞くことができますが、話すのは1分間に100~175が限界です。そのためただ話を聞くだけだと途中で飽きてしまったり話に集中して聞けない事態がおきてしまうのです。相手に話をさせることに注力して聞くように意識してみてください。

3、コーチングの提案とは

クライアントの行動を促す「提案」もしくは「リクエスト」ですが、相手に対して選択を委ねながら尊重する姿勢が大切です。提案はただ指示を出すのとは違い、相手が提案を必要としているときに行います。

相手の自発性を大切にして実際に取り組むかどうかは、完全に相手に委ねています。誰かに指示されて動くほうが得意な人もいますが、クライアントの行動へのコミットメント(確約)を持つことにあります。

提案したことは常に相手に受け入れてもらう必要はなく、行動に移さなくてもそれがなにかのきっかけになればいいのです。すぐに行動に繋がらなくても、成長したり成功する材料になればいいのです。提案は自分では気付けないような視点を提供すること、目標に向かって行動する為のサポートを行います。

ちなみに「相手に要求する」のはリクエストになります。人間が怖がってリクエストを嫌がる人もいるのですが、要求を主張したところで必ずしもうまくいくものではありません。そもそも選択肢は相手にあるので、思い通りに行くと考えないこと。リクエストを上手に使えば、人を飛躍的に成長させることにもなりますし、次のステップに進むきっかけになります。

4、まとめ

コーチングのアイスブレイク・ペーシングや話を聞く、提案するなどどれも必要なスキルになります。どれかがかけてもコーチングは成功しません。ただし、自分よがりな考え方になったり、クライアントに対して配慮できないままではいつまで経っても思い描いていたコーチングには繋がりませんので、十分に注意するようにしてくださいね。