効果的な質問とは

質の高い質問ができるかどうかは、コーチングの基本です。クライアントがコーチングを受けて1「何か行動を起こしたか」2「行動が変わったか」3「行動を止めたか」が指標のような役割をしているものです。そのために必要となるのが質問です。

1、質問とはどういった役割を持つものなのか

そもそもどうして質問が必要になるのか?というと、人間は質問を通し答えを考えるきっかけが与えられます。質問をしなければそのまま何も考えずスルーしてしまうようなことでも、質問が刺激になりその人の成長に繋がることもあります。他にも質問を通して相手に自分のことを理解してもらおうと心を開いたり、モチベーションを高めることにも繋がります。コーチングでのコーチの役割は質問を通してクライアントの気持ちを引き出します。

ただ質問ならなんでもいいというわけではありません。
1. 自分が何の為に質問をしているのか
2. 質問をすることでどんなことが実現できるのか
3. 質問の目的はなんなのか

クライアントに対してどんな質問が効果的なのか、またタイミングを見ながら聞かなくてはいけません。クライアントに対して今質問をするのが最適なのかを見極めるのです。質問するときの声のトーンや態度、待っている姿勢などトータルで判断していきます。

2、質問の種類について理解する

質問と一言でいっても種類がたくさんあります。求める結果によっても変わりますが、質問の大まかな種類について見ていきましょう。

1. オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン

質問の種類で最も有名なものかもしれません。相手に答えを求めるときの質問方法になり、いち早く答えが欲しいときや、事実をより明確にしたいときに向いています。例えば「宿題はやってきましたか?」「あなたは子どもの頃の夢が叶いましたか」など、YESかNOの2つしか答えがないものをクローズドクエスチョンといいます。

それに対してオープンクエスチョンは、相手に考えさせた上で答えを求めるときに適しています。例えば「勉強は何が得意ですか?」「将来なりたい職業を教えて下さい」など、答えの予測がつかないため、話が長くなる可能性も十分に考えられます。

内容に応じてオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける必要があるのです。

2. 限定質問と拡大質問

質問のときに用いられることの多い5W1H(what、why、who、when、where、how)は、大きく分けて2通りの種類に分けられます。what(何、どんな)、why(なぜ、どうして)、how(どうやって)は質問を拡大するための疑問符であり、who (誰)、when(いつ)、where(どこで)は限定的な質問をする為の疑問符です。

限定質問とは、質問の答えがある程度決まっているような質問をいいます。
「これはあなたの荷物ですか」
「この写真に写っている人は恋人ですか」
などは答えが決まっています。欲しい情報・必要な情報が決まってるときはこの限定質問のほうが明確な答えを導き出すことに繋がります。

拡大質問は、相手に自由に考えせせるものになり質問を通して新しいことを発見したり、気付いたりする為の質問です。

「仕事をもっと効率よく回すためにはどうしたら良いと思う?」
「この問題を解決するためにはどんな取り組みをするべき?」
など、本人も気付いていない深層心理の部分に踏み込み本音を引き出します。

3、効果的な質問を行うためのポイント

コーチングを行ううえで覚えておきたい、質問をより効果的にする為のポイントです。

まず、1つ目のポイントとしてクライアントの話を真剣に聞くこと。注意深く耳を傾けることで性格に話を聞き、どんな言葉をよく使うのか?本音はどう思っているのかを探っていきます。クライアント自身がわからなくなっているときは、相手に気付きを与えて考えさせることも必要です。また質問をする前にその目的や結果についても考えてみてください。

質問するときの方法も日常的に使いがちなクローズドクエスチョンではなく、考えさせるためのオープンクエスチョンを使ってみて問題をより明確に把握させます。コーチが答えに対してヒントを与えるような話し方では、成長のチャンスを逃してしまいます。

質問は難しい言葉を使わずにできるだけシンプルにまとめ、1回につき1つの質問としっかりと向き合うようにしてください。ときには思うような答えが返ってこなくて頭を悩ませることもあるかもしれません。

答えやすい質問をしていたり、答えを促すような行動や動作をしてしまいがちですが、焦らず辛抱強くクライアントに向き合うようにしてください。それが遠回りでも時間がかかっても問題ありません。

最初から質問がうまくいくことなんてほぼありません。何度も練習した上で適切な答えを導いていく必要があるのです。また、クライアントから質問されたときは濁さずしっかりと本音で向き合い答えること。この積み重ねが信頼関係を築き距離を縮めていくことにも繋がっていくはずですよ。