コーチングの流れ-その2

コーチングの始めから終わりまでの会話の一通りの流れを「コーチングフロー」といいます。ナビゲーターのような役割をしているものになり、今どの位置にいるのか、これから向かう目的などを知る為に必要なものです。クライアントが確実にゴールに向かえるようにサポートをするものになり、コーチとしての役割を果たすうえでもかかせません。

1、コーチングフローの8つの手順

コーチングの開始から目標を達成するまでの流れは以下のように進んでいきます。

  1. セッティングとアイスブレイク
  2. 目標の確認、明確化を行う
  3. エバリュエーション・プランを作る
  4. 現状の明確化
  5. ギャップの明確化
  6. 具体的な行動を決める
  7. エバリュエーション
  8. フォローを決める

1.セッテングとアイスブレイク

1番のセッテングとアイスブレイクの段階を、コーチングでは「プレ・コーチング」などと呼ぶことがあります。コーチングの基本ともいえるもので、ここでじっくりと時間をかけないとコーチングの機能が正常に行われなくなってしまいます。

例えば話しやすい環境を作るのもその一つで、人と人が向かい合うと防衛心が働き壁を作ってしまいます。クライアン路に安心してもらうためにも、表情や姿勢・話し方に注意する必要があります。また、いきなりコーチングをはじめるのではなく「これから5分間コーチングを行いたいと思います」などの事前の声がけによって、心の準備をするとクライアントの心を和らげられます。

2.目標の確認や明確化

2番目の目標の確認や明確化はゴールの設定です。
ゴールを設定している人の多くは、成功をおさめる人が多いと言われています。あなたはゴールを設定していますか?そのゴールを書き溜め、達成するための計画がありますか?と質問するとわずか3%の人しかゴールを決めていないといいます。コーチングでは徹底的にゴールのセッティングを促すこと、引き出すことも重要です。「1年後、何を達成したいのか?」を明確にしていきましょう。

3.エバリュエーション・プラン

3番目のエバリュエーション・プランについて全く耳にしたことがない人が多いかもしれません。これはコーチングを行う時間内での目標のことです。決められた時間内で何を明確にしたいのかどうかを明確にします。コーチングの時間の長さは関係なく、その時間内でなにをはっきりとさせたいのか、ゴールについてや、何を整理したいのかを問いかけてから進めていきます。

4.現状の明確化

4番目の現状の明確化ですが、現状に対して正確な認識を持つことによってより求めていることとのギャップが明確になり、足りないものが見えてくるというものです。目標を話す→現状を話すを何度も繰り返していきます。自分でも気付いていなかった部分が見えてきたりよりはっきりとしてくる場合もあります。

5.ギャップの明確化

5番目のギャップの明確化ですが、どうしてギャップがでてきてしまっているのか、本人の課題を探していきます。コーチングを通して頭で理解しても行動には深い溝が生じます。理解したとはいえ行動に移せる人ばかりではありません。コーチの役割は、自分にあった行動を自分で見つけられるようにすることにあり、どこに行こうとしているのかをはっきりとっせます。ゴールのヴィジョン、現状の把握、ギャップの認識を曖昧なまま進めないようにしてください。

6.具体的な行動を決める

6番目の具体的な行動を決めるは、ギャップを埋める為にどうしたらいいのかを決めていきます。クライアントの行動のアイディアを生み出すのはもちろん、移すためのアイディアも必要になります。

クライアントがどうしたら行動に移せるのかをサポートするのがコーチの役割です。この時点でコーチとクライアントに十分な会話があれば行動のアイディアは出しやすくなりますが、それができていないとアイディアがなかなか出なくなります。

7.エバリュエーション

7番目のエバリュエーションは、会話全体をまとめるようなものです。話してきた内容を確認したり、会話を通してどんな気付きがあったのか、明確になったこと、逆にはっきりとしていないことなどを話してみて会話自体を完了させていきます。当初に立てたプランに対してどの程度話すことができるようになったのか?はっきりとしたこと、気付いたこと、感想などを確認していきます。

8.フォローを決める

8番目のフォローを決めるは、ゴールを決めたもののそこまでのプロセスがうまくいかないこともありますし、クライアント自体がその約束どおりに行動を起こしてくれるかどうかはわかりませんよね。

これはコーチにとっても重要なことで、行動に起こすまでコーチのフォローは絶対的に必要なものです。行動を起こしてどうだったのか?現状は?ギャップはあるのか?どんな行動を取っているのかを聞き明確にして行くを何度も繰り返します。次のコーチングの日程を決めておくのも大切で、「次は来週に時間をとってお話をしませんか」などの約束をしていきます。

2、まとめ

コーチングは思い描いたとおりに進まないことも十分にあります。基本的なフローとして覚えておくと、お互いに共通認識を持つことに繋がり目的を持って会話を進めていけます。