心理カウンセリングでは、「カウンセリング・マインド」と呼ばれる、非常に大切な意識と意志の持ち方があります。
カウンセリング・マインドとは、心理カウンセリングにおいて基本となる姿勢や考え方のことを指します。カウンセラーが持つべき心構えであり、クライアントとの関係性を築く上で非常に重要で、日常的に生かす精神のことです。
それは、カウンセラーがクライアントに対峙するときにのみに持つべき心構えではなく、人間が生きていく上で、相手に対する思いやり、親切心を養っていく愛というものに近づくものになったり、人間だけでなく、他の生命にも向けられていく可能性があるものだと個人的には思っています。
1、カウンセリング・マインドの基本
カウンセリング・マインドとは、心理カウンセリングにおいて基本となる姿勢や考え方のことを指します。カウンセラーが持つべき心構えであり、クライアントとの関係性を築く上で非常に重要です。
以下に、カウンセリング・マインドの主な要素を説明します。
- 相手に対して非評価的な姿勢
カウンセリングにおいては、クライアントを受け入れることが重要です。クライアントが自分自身を認め、自分を受け入れることができるよう、カウンセラーはクライアントに対して非評価的な姿勢で接することが必要です。 - 共感的な姿勢
クライアントが話す内容に対して、カウンセラーは共感的な姿勢を持つことが求められます。クライアントの気持ちや考えを理解し、受け止めることで、クライアントは自分自身について深く掘り下げることができます。 - 真摯な姿勢
カウンセラーは、クライアントに対して真摯な姿勢で接することが必要です。クライアントの話を真剣に聴き、クライアントが抱える問題や悩みに向き合うことで、クライアントは自己理解を深めることができます。 - 自己開示の姿勢
カウンセラーは、自己開示の姿勢を持つことが重要です。自分自身の経験や感情についてクライアントに話すことで、クライアントは自分自身についてより深く理解することができます。 - 信頼関係の構築
カウンセリングにおいては、クライアントとの信頼関係の構築が非常に重要です。クライアントが自分自身を安心して開示することができるよう、カウンセラーはクライアントに対して信頼を築くことが必要です。
以上が、カウンセリング・マインドの主な要素です。
カウンセラーがこれらの姿勢や考え方を持ってクライアントと接することで、クライアントは自己理解を深め、問題解決のヒントを見つけることができます。
カウンセリング・マインドは、相手に対して何かを強いるような発言や考え方をするものではありません。
一言で説明すると、カウンセリングの考え方や姿勢を大切にして、人との関わりを持つことをいいます。カウンセリングのスキルを使うのではなく、考え方等を日常生活のなかで活かしていくことです。
例えば「私の話を聴きなさい」のようなスタンスではなく、「あなたの話が聴きたい」「あなたの気持ちを教えて欲しい」など相手の気持ちに寄り添うことが大切です。
2、相手の力を信頼し、聴く姿勢で受け入れて見守ること
カウンセリング・マインドは、相手の力を信頼し、聴く姿勢で受け入れて見守ることで、成長や回復を待つ心に繋がります。
この、相手の力を信頼し、聴く姿勢で受け入れて見守ることは、カウンセリングにおいて非常に重要な態度です。これは、「受容的な姿勢」と呼ばれます。
受容的な姿勢は、クライアントに対して非評価的であり、クライアントが自分自身を受け入れることを手助けします。カウンセラーは、クライアントの気持ちや状況に対して、否定的な評価をすることなく、クライアントの話を聴き、受け入れることが求められます。
このような受容的な姿勢で接することで、クライアントは自分自身を深く理解し、自分自身に対して受容的になることができます。このプロセスは、クライアントの成長や回復につながります。
カウンセリングにおいては、クライアント自身が問題を解決するための力を持っているという考え方があります。カウンセラーは、クライアント自身が問題を解決するために必要な情報やサポートを提供することで、クライアントの自己解決能力を引き出すことを目的とします。
つまり、カウンセラーはクライアントの成長や回復を待つ心を持ち、クライアントの力を信頼し、見守ることで、クライアント自身が問題を解決することを支援するのです。
3、部下と上司の関係
受容的な姿勢は、カウンセリングだけでなく、人間関係においても非常に重要な態度です。特に、上司や部下などの職場での人間関係においては、受容的な姿勢がコミュニケーションの質を高め、より円滑なコミュニケーションを実現することができます。
受容的な姿勢を持つことで、相手を尊重し、理解し、受け入れることができるため、相手との信頼関係を築くことができます。これは、職場においては非常に重要なことです。
4、親が子に接する際や、夫婦間では特に必要なマインド
受容的な姿勢は、親子関係や夫婦関係など、私たちの生活においても非常に重要な役割を果たします。
特に、子育てにおいては、受容的な姿勢が子供たちの自己肯定感や自己受容感の形成に大きな影響を与えます。
親が受容的な姿勢を持ち、子供たちの話を真剣に聴くことで、子供たちは自分自身を受け入れることができ、自己肯定感を高めることができます。
また、夫婦関係においても、受容的な姿勢は非常に重要です。
夫婦がお互いに受容的な姿勢を持ち、相手を理解し、尊重することで、より良いコミュニケーションを実現し、より幸福な関係を築くことができます。
夫婦関係においては、相手を受け入れることが、愛情や信頼を育むための基本的な姿勢となります。
5、まとめ
カウンセリング・マインドの意識を持ち日々の生活を送っていけるとすれば、人間関係のトラブルを減らせると思いませんか。
相手を尊重する姿勢や行動ができるかどうか?それは家庭や職場・友人関係などの狭い範囲ではなく国さえも変えていくことが可能なものだと思います。
困っている人がいれば「どうしたの?なにかあったの?」そんな声がけが自然とできるようになれば、もっと平和で調和の取れた世の中になっていくのではないでしょうか。
カウンセリングとは、たんに悩みを解決するだけでなく、人が人生全般に渡って充実した生活を送り、もっている可能性や輝きを最大限に発揮することをサポートするための方法です。
カウンセリングの基本的な態度やスキルを身につけることは、心の安定感や自信につながり、人間関係を改善して豊かな人生を実現するために役立ちます。