
インテグレーション(Parts Integration)とは?
心の中に “別々のパーツ(部分的な欲求・信念・行動パターン)” が存在し、互いに矛盾して葛藤を起こすとき、それらを対立から協調へまとめ直すNLP 心理学の手法の一つになります。
心の中にできてしまう、相反する2つの行動「葛藤」を統合する手法について簡単ですが解説いたします。
インテグレーション葛藤の統合
心の中に “別々のパーツ(部分的な欲求・信念・行動パターン)” が存在し、互いに矛盾して葛藤を起こすとき、それらを対立から協調へまとめ直すNLP 心理学の手法の一つになります。
例を挙げると、以下のような心の中にできてしまう相反する2つの葛藤です。
- 「もっと休みたい」という意志(パーツ) vs 「成果を出したい」という意志(パーツ)
- 「ダイエットしたい」という意志(パーツ) vs 「甘い物を食べたい」という意志(パーツ)
ゴールとしては、どちらかを犠牲にせずに、 “共通の上位目的” を見つけることによって、両方が満足できる行動プラン を創り出すことにあります。
インテグレーション葛藤の統合がなぜ効果的なのか?
それは、以下のような3つのポイントがあるからです。
- 内的対話の可視化
“対立しているのは自分同士” と気づくことで、感情の渦から一歩距離を置ける。 - 上位価値の発見
パーツ同士の 「共通の肯定的意図」を探る過程で自分の価値観がはっきりする。 - 行動の創造性
目的が同じとわかれば、新しい折衷行動
(例:ポモドーロ式で仕事→小休憩でリフレッシュ)が発想しやすい。
葛藤の統合を9ステップで行う基本プロセス
- 葛藤を特定する、一つ選ぶ
「◯◯したいけど△△もしたい」など、相反する行動・感情を1組選ぶ。
相反する二つの行動、やりたくないのにやってしまう行動と望ましい行動を決める
例)タバコを吸いすぎる→タバコをコントロールする
子供に当たってしまう→子供に優しくする - やりたくないのにやってしまう行動をしている自分を体験する
両パーツを“外在化”してみる
両手に乗せたり、紙に描いたりして 形や色 をイメージし、人格を与える(名前もOK)。
例えば、その行動を作り出しているパートを体から探る、それを仮に「パートエックス」とする。
そのパートをゆっくり片手の上に取り出し、そしてそのイメージを言語化する、どんな形、大きさ、色、重さ、温度、など - 「パートエックス」に肯定的意図は何かを尋ねる
「このパートにこの行動を通じて何を手に入れているのですか?」「何をしようとしてくれていますか?」「あなたが◯◯を望む本当の目的は?」と尋ねる。パートエックスから答えが返ってくるのを待つ。深掘りして“安全・愛・自由”など上位価値を見つける。答えを聞いたらパートに感謝を伝える。 - 望ましい行動をとる自分を体験する
その行動を作り出す「パートワイ」を体に感じ、もう片方の手の上にゆっくりと取り出す。
そのイメージを言語化し、できるだけ明確にしていく。どんな形、大きさ、色、重さ、温度、など - 「パートワイ」に肯定的移動を尋ねる
「このパートにこの行動を通じて何を手に入れているのですか?」「何をしようとしてくれてますか?」と尋ねる
パートワイから答えが返ってくるのを待つ。答えを聞いたらパートに感謝を伝える。 - パート同士で詰め合わせ
両手を前に差し出し、パートエックスとパートワイを向かい合わせ、お互いの肯定的意図が大切であることをパート同士で詰め合わせる。 - 充分な話し合いができたら統合する
目の前のパートエックスとワイをよく見ます。共に肯定的と思っています。あなたにとってとても大切なパートです。これからゆっくりと両手を近づけていきます。お互いが自分にとって大切な重要な存在であることを確認しあいます。そして両手がゆっくりと近づいていくのを見守ります。相手を受け入れ認め合って安心して近づいていきます。やがて統合します。両手が合わさるのを確認する。
※2つのパーツが「それなら賛成」と首を縦に振る価値を言語化します。 - 統合を身体感覚で確認
両手の上にある新しいパートをゆっくりと自分の中に戻してもらう。
そして新しいパートが体の中に溶けて全身に広がって行くのを体験する。両手を胸に近づけて一体化するイメージ、呼吸が深まるか・抵抗感が減るかをチェック。違和感が残れば⑦へ戻る。 - 未来ペーシング
未来に望ましい行動をとっている自分をイメージし新しいパートが行動をつけているのを確認する
ミニ実践例
ケース:「夜遅くまで YouTube を見たい」vs「早朝ランニングを続けたい」という葛藤を統合してみる
- 上記の葛藤をそれぞれに対して肯定的意図を探る
・YouTube パーツの例:息抜き・好奇心・人と話題を共有
・ランニング パーツの例:健康維持・達成感・自己信頼 - パート同士で詰め合わせて共通上位価値を見出す
例)エネルギッシュな毎日と自己充足 - 未来ペーシングで統合プランを創造する
例)22:30 までに“学習系動画3本”を観る→23:00 就寝→翌朝ラン→帰宅後にお気に入り動画1本でクールダウン
よくある質問 & 注意点
- 「パーツが3つ以上ある場合は?」
最も強い2つから始め、統合できたら残りと順に行うとスムーズ。 - 「意図が見つからないときは?」
仮定質問:「もしメリットがあるとしたら何?」で探る。時間を置いて再トライも◎。 - 「第三者へのコーチングで使える?」
使えますが、価値観探索で判断を押し付けないよう“好奇心ベースの質問”を徹底。
まとめ
インテグレーションは 「勝ち負けではなく “両立の道” を探す内的ネゴシエーション」。
葛藤を無理に消すのではなく、両方の願いを叶えるクリエイティブな解決策 を生み出すためのレンズです。
小さな日常の迷いから試し、統合感がどのようにエネルギーを生むか体感してみてください。
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