会社経営では、まず会社を維持するのが優先ですから、お客様をつくることが第一です。
そのための商品・サービスの提供。その両輪を試行錯誤して運営をしていく。
このことで経営の80%を占めることになります。
ですから人材育成が重要だとわかっていても、どうしても後回しになっていくのです。
実際、どのようにして人材を育成すればいいかむずかしいですね。
社員を少しずつできるだけ自然に、自動的に成長させるためには、新しいシステムを構築などしなくて大丈夫です。
逆に今やられていることを、まずは可視化していくことです。
今回はその方法をお伝えしたいと思います。
まずは、社長の頭の中を棚卸して可視化する
今までも、今もおこなっていることそれは…
募集をする、採用して、部署に配置して、先輩社員から教えてもらう。
そこからいろいろと社員の評価が枝別れしていき、各会社でいろんなドラマが起きていくわけですね。
社長からみれば、人事とか、賃金とか、評価とか、煩わしいと思っている方が多いと思います。
人事専門の会社に委ねて新しい仕組みを作る?
いえいえ、その必要はまったくありません。
今ままで、行ってきたことをただ社長の頭の中を可視化して、棚卸して、それを言葉や数字に置き換えるだけです。
それが一番精度の高いプチ人事制度になります。
- 会社の考え方とどう考えてどう行動すれば100点満点の社員像になるのか?
- どういう評価になったとき給与や時給はどう上げっていくのか?
ということを可視化してまとめられたものでなければなりません。
小さな会社の多くは、評価シートやこういう決まりがあいまいになっており、だいたい社長の気分次第で昇給が決まっていることが多いようです。
でも、それは間違いかというと、そうではありません。
さまざまな社長の決断があって会社を経営されているその感覚はあっているからこそ、今でも会社経営が維持されているわけです。
だからこそ、社長の頭の中を可視化するわけです。
人事制度は、誰でもが、仕事ができる、優秀な社員に導くための仕組みです。
よくできたね!といって社員を褒めて、社員の賃金を上げて、社員のモチベーションを維持し、少しでも成長してもらうために、最小限の制度をつくるのです。
この会社では、どのような考え方で、どのように働いて成長してもらうかを考えて、まとめられたものが人事制度でもあり組織づくりや人材育成になってくるのです。
具体的な3つの仕組み
具体的な仕組みは以下の3つです。
- 1つ目は、評価を行う
- 2つ目は、賃金を決める
- 3つ目は、部下指導・教育を行う
1,評価を行う
どのような考え方で、どのように働いて成長していけばいいか、を明らかにします。
それが評価制度の中の「評価シート」になります。
社員の期待像を示さなければいけません。
会社には部門や部署があり役割分担があります。
例えば、総務、企画、製造、営業、販売、物流などの職種があり、それぞれ成果が異なってきますから、期待像も異なります。
また、組織には階層があります。一般社員、中堅社員、管理者・幹部でも、同様にそれぞれに会社から求められているスキルも業務も成果も違います。階層ごとに期待像が違います。
その期待像である評価シートに基づいて、評価がなされますから、期待像に近づけば、評価は高くなります。
成長するスピードは人それぞれです。ここで一番の問題になるのは、どこが成長していて、どこが滞っているのか、わからないことです。上司によって判断が違ってくるということで
す。
社員に事前に渡せる評価シートがあれば、社員は成長しやすくなるのです。
評価シートは、4つの項目で構成されています。
- 成果:成果はどれくらい実現できたか
- 重要業務:成果を上げるために必要な重要な業務をどのくらい遂行したか
- 知識・技術:重要業務に必要な知識・技術をどれくらい身に着けたか
- 勤務態度:会社に相応しい勤務態度を遵守しているか
いかがでしょうか?
仮に、評価シートをつくられていない会社であっても、このような項目で社員を無意識に評価しているはずです。ですから、社長に頭の中を可視化して言語化すること、これが一番重要なことになります。
2,賃金を決める
小さな会社の場合は、わたしがよく見てきた会社の場合、社長が年1回ほど社員の賃金を、社長なりの評価に基づいて賃金を上げたり、維持したりすることが多いようです。
パートの場合は、数年間、昇給がなかったりすることも散見されていました。
すべては、社長の鶴の一声で決まっていますから、どうなれば給与や時給が上がっていくのかよくわからない、ということなのです。
賃金制度は働く側から言えば最も関心のある程度です。
社長は社長の考え方と感性によって決められていますから、それはそれで正解なのです。ただその今までのやり方を文字や数字にして可視化していけばいいわけなのです。
(例えば、85点以上の評価の高い状態が、2回続けば〇〇昇給する、など)
社員もパート社員も、評価シートに基づいて評価され、評価に高い社員は賃金も上がり、昇格していく、ということを公開するわけです。
昇給・昇格の仕組みや基準が事前に示されれば、その方向に向かう人が増えてくれるでしょう。同時に、成長するスピードは人それぞれですからじっくり取り組んでいく必要があります。
3,部下指導・教育を行う
社員を教育することと、人事制度は、社員のために運用されるものです。
法人全国の98%は中小零細企業ですが、社員は社長の鏡です。ですから社員を教育することは自分磨きでもありますから、実は共育なのです。
また、社員を成長させるには、まず、成果の上がっている優秀な社員を特定し、そのプロセスを明確にします。プロセスとは、優秀な社員は、どのような考え方・価値観・信念を持っているのか、また、どのような行動をしているのかということを細かく観察して確認していくことです。
他の社員がそのことを行えば優秀な社員と同じ成果を出す確率が上がります。そして、それを組織全体に共有化させ少しずつ浸透させていくのです。その結果、自立型社員ができる確率が上がります。
なぜなら「あなたの今後の成長のゴールはこれですよ」と成長マップで示すことができるからです。
そのゴールこそ、あなたの会社の人財育成の定義なのです。
だからこそ、成長マップは社員に事前に提示するものなのです。
また、部下の何を指導しどのように成長させればいいのかが明確になっていますので部下指導がスムーズになります。今までどの会社も曖昧にしていた「人財育成」「部下指導」を定義できるようになります。
他の会社の評価シート成を参考にして作ったものだとしても、あくまでも経営者の頭の中で考えていること・感じていることを言葉にしていくことが必要になってきます。
(参考及び引用:「人生を賭けられる会社の見分け方」 発行:多摩経営研究所 著:松本順一)
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4,おススメ書籍
社員がある程度、自動で成長していくシートの作成方法、面談、給与のシステムなどに興味のある方は、以下の書籍をお読みいただくことでご自分で作成することができますのでお勧めいたします↓
当サイトでお伝えしています社員の成長を支援する成長支援制度の作成手順がまとめられています。また、小売業、建設業、卸売業、飲食、IT業の成長シート例やモデル賃金なども掲載しています。
また、すでにある程度の人事制度をお持ちの方で、本格的な人事制度を作ろうという方は、以下の会社にご相談してみてください。セミナーやマニュアルの販売などを行なっております。
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