良い人材の選び方、見極める方法

私自身、実際に面接を担当したり、面接のサポートをさせていただいたりしながら、いろんな経営者さんを見てきました。
不思議なのですが、多くの面接をされてきている方は、面接する部屋に入ってきた瞬間に、採用するかしないか を感覚的に決めていらっしゃる方が多いような気がしています。自然にわかってしまうのでしょうね。

「子は親の鏡」と言いますが、「社員も同様にその経営者の鏡」なると思います。
したがって、必要なときに、必要な人が入ってきて、良くも悪くも必要な体験をして、学んでいるような気がしています。

この「良い人材の選び方」は、あくまでも20人以下の社員数で、小さな会社向けの面接方法になります。
経営者の人たちの意見を聞いていると、だいたい良い人材というのは、「気持ちが良い人」 「柔軟性がある人」「仕事ができて、性格が良い人」、ざっとこんな感じです。
大企業などと違って、余程、経営者が高学歴であれば、学歴に拘る方もいらっしゃいますが、 学歴にこだわった方、その後に採用された会社でうまくいっているのを見たことがありません。

もう1つ、採用されなかったから能力が低い、のでは決してありません。あくまでも、その会社とマッチしなかった、 ただのミスマッチだ、ということ、これを双方が持つことが重要です。採用された人は、この会社とマッチしそうなのでこれからよろしくお願いします。 採用されなかった人は、他に合う会社が必ずあるはずです、という意識を持って、相手を尊重してあげることが大切なことです。

ここではなるべく、「性格が良くて、仕事ができそうな人」を選ぶための、心理学を活用した面接方をお伝えしていきますので、ご参考にしていただければと思います

心理学では 人を3の側面から観察することが多々あります。その3つとは、感情レベル、思考レベル、行動レベルのことを指します。今、その人の感情はどうなっているのか、価値観はどうなっているんだろう、ある状態のときどういう行動をするのだろう、それを質問やロールプレイングを通して確認して行くわけです。

良い人材を選ぶためのここまでのまとめ
※良い人材=気持ちが良い人、柔軟性がある人。仕事ができて性格が良いこと。
※ミスマッチをさけることが目的
※社長の容量・力量に応じて人が現れる
※感情・思考・行動レベルを観察する

●感情レベル
この感情レベルでは以下の項目を確認します。

それは、
気持ちの良い関係を持てそうな人か? 
柔軟性がある人か? 
人の責任にしたりしないか?
反省ができなかったり、自分を俯瞰できなかったり、気づきのない人でないか?
・・・など、面接全体を通じて確認していくのです。

具体的には、自分自身に対してこのような質問を問いかけます。
「その人といっしょにいて心が落ち着いつくか? 違和感はないか?」
「問題が起きたとき、心地よく解決していけそうか?」

自分がどういう感覚や体の反応を持つか注意しておく。
この人だ!でもいいし、違和感が全くない、なら採用OKですし、
ちょっと何かひっかかる、違和感がある、なら採用NGとなります。

つまり、うまくいっているとき、調子が良いときは、誰と組んでも進むのです。
逆に、問題や課題が起きたときにその人がどういう態度で解決するのかが鍵なのです。
逃げようとするのか、人の責任にするのか、言い訳をするのか?
本来のその人の状態、本性がでるのです。
問題が発生したときに心地よく解決できる人は、これからどんな予期せ部ことが起きたとしても大丈夫なはずです。逆に、採用する側の心の器を日々、鍛錬しておかないといけないでしょう。

●思考レベル
この思考レベルでは以下の項目を確認します。
以下のような質問をすることで、どのような価値観をもっているか確認する。

1、「まずは3分程度で自己紹介をしてもらえますか?」
2、「この会社を受けた理由は何ですか?」 
⇒返ってくる言葉が重要。たくさんの情報を知った上での回答か?
3、「この会社のビジョンについてどうですか?」 
⇒それに対して必ず反対意見をいって様子を見る。黙ったらNG。
4、「過去に一番困難だったことは何でしたか?」
  「それをどのように解決しましたか?」
⇒自己開示能力。自分の欠点や失敗を正直に言えるかどうか。
5、「どういうお子さんでしたか? 7歳頃で結構です。」
  「どんな、お父さん、お母さんですか?」
  「お父さん、お母さんに尊敬できるとこって何ですか? ここは改善してほしいところは?」
⇒両親についての感情を訊きだす。恨みがあると必ず社内の誰かと衝突する。
6、「あなたがこの会社に与えられるものは何ですか?」
 ⇒普通は、こういう視点で考えていないので必ず訊く。

●行動レベル
この行動レベルでは、何かしらロールプレイングをして確認します。
簡単にできるようなもので十分です。
予期せぬことへの対応を観たいので、そういうロープレが望ましいと思います。
・サービス業ならクレームを入れてみる
・事務ならお得意さまからのクレーム
・管理業なら、重大なミスが発覚した
などなど

ロールプレイイングの例)
「簡単な課題をここでやっていただきますがよろしいですか?」
例「私がお客様となってクレームをいうので、クレーム対応をしてください」

ここで確認することは、どのような対応をするのかです。
・きちんと対応できればOK、それなりに対応できてもOK
・うまくいかず失敗してもOK
・「すいません、頭が真っ白になってしまって…」と申告し中断する。これでもOK

ではなにがNGなのかというと
何もできなくて、黙ってしまう状態になることです。
先程の「頭が真っ白になって…」という方は、きちんと自分の状態が把握できているので問題はないのですが、黙ってしまうことは、自分の置かれた状況が把握できていないということなので、そういう場合の多くは、事実を第三者に報告することができず、業務に支障をきたしてしまうからです。

●まとめ
この面接の仕方は、あくまでも 20人以下の小さな会社で行ってきた面接法の1つです。もちろん、そのままお使いいただくこともできますし、ノウハウがあるのなら、それに必要なものだけ組み込んでもらっても良いと思います。経営者にいろいろ質問 してきたところ、一言であらわすと、「仕事ができて、性格のいい人」を望んでいる方が多いように思います。
同時に、その経営者にとって、良くも悪くも必要な人が採用されます。そして、成長するために、いろんな人間関係のやりとりを通じて学びをされているのだろうと思います
良い人材を集めるには、やはり経営者の方が、それに値する人物になることが必要でしょう。永遠の課題ですね。