転職活動において、職務経歴書は応募企業に自己アピールできる書類です。
また、必ずといっていいほど履歴書と同時に提出を求められますが、実際にどう書けばいいのか、書き方がわからない人も多いのではないでしょうか。
特に、自己PRの書き方がそうではないですか。多くの人は、普段からPRなんてしていませんから、自分の長所などをそれなりにまとめることが苦手なのです。
それが普通です。そこで今回は、職務経歴書の書き方のポイントやよくある疑問点に加えて、採用側が本当に聞きたい自己PRの書き方のコツについて解説していきますから大丈夫です!
職務経歴書とは?
職務経歴書とは、今までの仕事内容や仕事を通じて培ったスキルを採用担当者に伝えるための書類です。
履歴書と職務経歴書が混同されがちですが、以下のような違いがあります。
- 履歴書:住所・連絡先などの個人情報、志望理由
- 職務経歴書:過去の仕事内容・培ったスキル
履歴書はあくまで全体を網羅する書類で、職務経歴書は過去の仕事経歴を詳細に書く書類です。
職務経歴書は、一言でいうと自分の経歴・スキルを効果的に伝えるためのものです。
そのためには、以下の4つの情報を上手く入れながらまとめていくと、込むことが重要です。
- 何を(商品、サービス、社内事務作業など)
- 誰に対して(顧客、社員など)
- どのような手法、アプローチで
- どのような課題を解決した、もしくは成果を上げたのか
職務経歴書の中でも特に、【職務要約】【職務内容】【自己PR】を記入する際、上記の内容をバランスよく入れ込むように意識するようにするとグンと良くなります。
職務経歴書で見られる3つのポイント
職務経歴書で採用担当者が見ているポイントは大きく3つあります。
最低限抑えておいてください。
①経歴が企業の求める要件と合っているか
あなたの経歴が、企業が求める人材要件から大きく外れていないかを見ています。
書類選考の段階で大きく要件から大きく外れている場合は、落とされる可能性が高くなりますので注意が必要です。仮に書類選考を通過したとしても必ず面接にて確認されますので一貫性を持って臨む必要があります。
実績には満たない場合であっても、他の職務経歴を見ながらの判断、人手不足による求人数の少ない企業や不人気の業種など、さまざまな要件によるところが大きいといえます。
②転職回数の数、退職理由
採用担当者として最も困ることは、入社後すぐに退職してしまうことです。
採用コストはもちろん、新人教育にも時間とコストがかかるのでできる限り長く定着してくれる人材を求めています。
そのため転職回数や在籍期間を見て、短期間や頻繁に転職を繰り返している場合、書類選考に通過しにくくなります。
「転職回数は何回以上が多い」という明確な基準はありませんが、回数が多いと自覚している場合は資格を取得するなど自己アピールできる項目を増やすと良いでしょう。
また、退職理由についても問われます。
職務経歴書の中では記載の必要はないですが、面接で聞かれることになるのであらかじめ準備しておきましょう。
③企業が重視するキーワードが入っているか
転職の採用活動では、明確に自社に合う人材を見分けるための基準を設けています。
企業ごとに重視しているキーワードが入っていることで、書類選考を通過する可能性が上がります。
これを見分けるためには、求人票を確認し分析する必要があります。
たとえば、
- 求める人物像
- 必要とするスキル
などの項目がある場合、それ自体がキーワードになっている可能性が高いといえます。
自分と共通点がある部分については、必ず職務経歴書に入れておきましょう。
職務経歴書の具体的な書き方
ここからは、職務経歴書の具体的な書き方について解説していきます。
書く始める前の準備
職務経歴書を書き始める前に、以下のことを整理しておきましょう。
- 今までのキャリアを整理
- 応募企業ごとに求められる人物像を洗い出す
- キャリアについては、勤務先の情報や職務内容や得たスキル、具体的な実績
職務経歴書全体の見本と各項目
職務経歴書には、さまざまな記載ルールがあります。
項目ごとに詳しく解説していきますので、ポイントを抑えていきましょう。
①タイトル・日付・氏名
- 「職務経歴書」と中央に書く
- 日付は職務経歴書の提出日(郵送は投函日)
- 日付の下に氏名をフルネームで記載
冒頭に「職務経歴書」とタイトルを記載します。
日付は職務経歴書を提出する日です。郵送する場合は投函日を記載しましょう。
年号や西暦もしくは元号どちらかを履歴書と統一して書きます。
氏名は、苗字と名前の間に1文字分スペースを空けます。
②職務要約
- 最大5行程度でキャリアのあらすじを記載
- 詳細は職務経歴に書くので、わかりやすく端的に書くのがポイント
- 応募企業や職種に関係の深い内容を中心に書く
職務要約は、キャリアのあらすじとして最大5行程度でシンプルに記載しましょう。
採用担当者は短時間で職務要約を読んで、あなたがどんな仕事をしてきたかを把握します。
あとで記載する職務経歴以降のダイジェストという感覚でわかりやすく書くといいでしょう。
また、無理に関連付ける必要はありませんが、できるかぎり応募企業や職種に関係の深い内容が書けるとベストです。
③職務経歴
- 会社概要:必ず正しい情報かつ最新情報を記載
- 期間:業務を担当していた期間を書く
- 職務内容:「業務内容」「実績」「使用していたツール・機器」を書く
会社の最新情報は、会社のホームページの会社概要ページによく記載されています。
注意したいのは、「必ず正しい情報」を記載することです。
例えば、「㈱」などは必ず、「株式会社」と必ず正しく書きます。
期間については、年月単位で記載します。
仮に同じ会社でも人事異動で業務内容が変わった場合、新たに欄をつくり記載するほうがわかりやすいからです。
職務経歴にはそれぞれ、以下のような内容を記載します。
- 業務内容:自分が部署で担当していた仕事
- 実績:できるだけ数値を交えて、改善できたことや実績
- 使用していたツール・機器:パソコンやチャットツール、申請用ツールなど社内で使用していたシステム
職務内容は特に記載内容が多くなりやすいので、できるだけ箇条書きで記載します。
④活かせる資格・経験・スキル
- 応募企業や職種と関連している資格やスキルを全面にアピール
- 業務と直接関係ない資格は、基本的に履歴書のみに書く
- 必ず書くのはパソコンスキル(Word、Excel、PowerPoint)
基本的には、応募企業や職種と関連する資格を優先して記載しましょう。
仮に当てはまる内容が少ない場合、直接関係ないスキルも職務経歴書にも書いても良いでしょう。
必ず記載する必要があるのが、パソコンスキルです。
officeソフトに関しては、どの企業も使用頻度が高いので記載しておきましょう。
他にも、書ける項目としては以下のような内容です。
- 各種保有資格
- 専門的なツールやソフトウェアの使用経験
- 専門分野の業務経験
- マネジメント力などのポータブルスキル
自分のキャリアを振り返り、身に付けてきたスキルについて棚卸ししてみましょう。
⑤自己PR
- 複数アピールしたい内容がある場合、項目を分けて記載してもOK
- 1項目あたり5行程度
- 入社後に活躍できる人材かをアピールする内容にする
- 履歴書の自己PR欄・志望動機と齟齬がないようにする
自己PR欄は、複数アピールしたい内容がある場合項目分けをして記載すると見やすくなります。
その場合、最大でも2項目程度にしておくと良いでしょう。
文量としては、1項目あたり5行程度を目安に記載します。
自己PR欄は採用担当者に「活躍できる人材か」をアピールする場所です。
性格的な強みより、今までの仕事で取り組んできた実績など根拠や事実をもって伝えられるとベストです。
注意したいのが、履歴書の自己PR欄や志望動機と齟齬がないようにしましょう。
まったく違う内容が書かれていると、アピールしたいことがうまく伝わらない可能性があります。
職務経歴書のフォーマット
職務経歴書は、あなたの職歴に合うフォーマット選びも重要です。
職務経歴書のフォーマットには、主に以下の3つがあります。
- 編年体式(経歴を古い順番から書く)
- 逆編年体式(経歴を新しい順番から書く)
- キャリア式(キャリアごとに書く)
それぞれ特徴があるので、詳しく解説していきます。
編年体式
編年体式とは、職務経歴書で最も一般的なフォーマットです。
入社から現在まで、時系列で所属していた企業・部門・業務内容を記載していきます。
履歴書と照らし合わせてみることができるので、伝わりやすい書式です。
編年体式を使用するのがおすすめな人は、以下のような特徴があります。
- 同じ企業に長く勤めていた人(転職経験が少ない人)
- 経験が浅い人
逆に、「転職回数が多い人」には不向きなフォーマットと言えます。
欄が多くなり、職を転々としやすいと悪い印象を与えてしまう可能性があります。
逆編年体式
逆編年体式は、先にご紹介した編年体式の逆パターンのフォーマットです。直近の職歴から順番に記載していきます。
最も使用率が多いフォーマットは編年体式ですが、実は採用担当者から見ると逆編年体式が読みやすいとされています。
というのも、直近の職歴を一番知りたいからです。
逆編年体式を使用するのがおすすめな人は、以下のような特徴があります。
- 直近の職場での実績をアピールしたいとき
直近の職場での実績があり、応募企業と関連する職務だった場合は逆編年体式を使用すると良いでしょう。
一方、直近の職場を早期退職している、特筆する実績がない場合は編年体式で記載することを検討してみましょう。
キャリア式
キャリア式とは、職務内容や経験スキルごとに職務経歴を記載するフォーマットのことです。
キャリア式を使用するのがおすすめな人は、以下のような特徴があります。
- 転職回数が多い人
- エンジニア、技術系など専門的な職種経験の人
キャリア式は職務内容やスキルごとにまとめるので、転職回数が目立たないメリットがあります。
転職回数が多い場合、それだけ経験スキルが多くなので全面にアピールしてください。
また、専門スキルを持つエンジニアや技術職の場合、採用担当者が知りたいのは職歴ではなくスキル面を重視するので、キャリア式のほうがアピールしやすいです。
Q&A
職務経歴書を書く上で、良く聞かれる質問についてまとめてみました。
ぜひ参考にしてみてください。
Q1)手書きorパソコンどちらを選ぶべき?
特に指定がない場合、パソコンで作成するのがおすすめです。
- 履歴書よりも文字量が多いので、誤字脱字が修正できる
- 表や改行、行間の調整も自由にできる
- データが残るので、基本の職務経歴部分が使い回しできる
ただし、職務経歴をそのまま使い回しするのはNGです。
企業や応募する職種によって、自己PRなどを部分的にカスタマイズして使用しましょう。
Q2)枚数は何枚くらいがベスト?
職務経歴書は、A4用紙2~3枚程度がベストです。
文字数が多くなるので、箇条書きや表を使って見やすいように作成しましょう。
Q3)転職回数が多い場合も職歴は全部書く必要がある?
すべての職務経歴書を記載しましょう。
ただし転職回数が多い人が年代順に書くとすぐに仕事を辞める印象を持たれやすいので、「キャリア形式」で書くと職歴の多さが目立ちにくくなります。
具体的には、「営業」「事務」などの項目ごとに業務内容でまとめて記載すると良いでしょう。
Q4)アルバイト期間や、無職など職歴の空白期間の書き方は?
できるだけありのままに記載しましょう。
空欄のままだと印象がよくない可能性があります。
アルバイト期間については、1~2ヶ月程度の短期の就業であれば書く必要はありませんが、3ヶ月以上働いた場合は記載しておくと良いでしょう。
無職期間ですが、行っていたことがあれば具体的に記載するほうが良いでしょう。
家庭の事情や、転職活動が長引いたなど人それぞれの事情があるケースは考慮してくれる場合も。
目安としては1ヶ月~半年程度の空白期間であればマイナスになりにくいと言えます。
Q5)未経験の仕事に応募するとき、どう書く?
未経験の仕事の場合、企業は未経験者に求めているのは「熱意や意欲が高い」「イチから教育できる」ことです。
つまり、書くべきことは以下のような内容です。
- 伸びる人材であることをアピールできる根拠(応募職種に通じるスキル)
- 前職でどれくらいの成果を残せたか
たとえば、共通するパソコンスキルや、社会人マナー、顧客対応などは全部の職種に共通することです。
採用担当者に納得感を与えられるよう、具体的に記載しましょう。
まとめ
職務経歴書は、履歴書と同様に自分をアピールする重要な書類です。
転職活動の最初の関門となる書類選考を通過できないと、面接できる機会を逃すことにつながります。
採用担当者に「ぜひ会ってみたい」と思わせるためにも、まずは職務経歴書をしっかり書いていきましょう。
その上で、求人票からアピールできる箇所を見つけて工夫することで、採用へと近づく職務経歴書を作ることができます。
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