転職活動で必須となるものは、履歴書と職務経歴書になりますが、慣れない内容に書き方に戸惑うケースも多いのではないですか?
例えば、学歴や職歴は書けても、「志望動機欄」には何を書けばいいのだろうか、というオーソドックスな問いや、「通勤時間欄」の具体的な時間の書き方や定義など、あまり知られていないことなど、まとめてみました。
これから転職されるという方、履歴書の書き方が不安な方は、ぜひ抑えておくべきポイントをお伝えしますのでご覧いただければ幸いです。
履歴書の書き方
履歴書には、さまざまな記載ルールがあります。
項目ごとに詳しく解説していきますので、ポイントを抑えていきましょう。
①基本情報欄の書き方
連絡先の記入欄や第一印象を左右する写真がある基本情報欄は、履歴書の土台となる部分です。
書き方の基本をしっかり確認しておきましょう。
日付
- 日付は自分の手から離れる日にちを記入
(面接:提出日、メール:送信日、郵送:ポスト投函日) - 履歴書全体で西暦か元号(平成・昭和など)表記を統一
履歴書に記入する日付は、提出様式によって異なります。
具体的には3つの提出方法があるので、当てはまる方法で記入しましょう。
(例)4月10日記入、4月20日面接日の場合:4月20日と記入
※日付=「書いた日」ではないのでご注意を。
また、履歴書全体で西暦か元号(平成・昭和など)表記を統一しておくとベストです。
写真
- サイズは縦4cm×横3cm
- 撮影日は3ヶ月以内のもの
- カラーかつ胸から上が写っているもの
- 背景色は白、青、グレー
- 万が一剥がれた場合に備え、写真の裏にフルネームと撮影日を記入
服装は基本的にスーツであれば問題ありません。
男女ともにジャケットを着用し、男性は原則ネクタイ、女性は清潔感のあるインナーを着ましょう。
女性の場合、志望する業種によって多少変更する必要があります。
硬めの業種なら襟付きのシャツ、アパレル関係であれば明るめの色のインナーのほうがベストです。
できればスピード写真ではなく、写真館やスタジオで撮ると失敗がないでしょう。
氏名
- 姓と名の間を一文字ほど空ける
- ふりがなは履歴書の記載に合わせて「ひらがな」か「カタカナ」で記入
- 押印欄がある場合、必ず「認印」を使用
氏名欄には、戸籍に記載されている名前を書きましょう。
姓と名の間を一文字空けることで、一目で読みやすくなります。
氏名の横に押印欄があった場合、必ず「認印」を使用します。
いわゆるシャチハタは使用不可となるので、ご注意を。
年齢・性別
- 履歴書送付時の満年齢を記入(もしくは手渡し時、ポスト投函時)
- 性別は戸籍に記載されている内容で記載
日付で記入した日にちの満年齢で記載します。提出日の直前に誕生日が来る場合は、年齢の書き間違えに注意しましょう。
住所
- 都道府県から記載し、マンション名や部屋番号まで省略しない
住所を記載する際は、都道府県から省略せずに記入しましょう。
内定をもらった場合など書類が届くケースもあるので、マンション名や部屋番号もすべて記入する必要があります。
連絡先欄がある場合は、現住所と異なる場合のみ記入しましょう。
同じ場合は空欄でも問題ありません。
連絡先(電話番号、メールアドレス)
- 固定電話がない場合、携帯電話のみの記載でOK
- 日中連絡がつきやすい連絡先を記載する
面接の日程調整など企業からの連絡が入る場合があるので、日中連絡がつきやすい連絡先を記入しておくと良いでしょう。
Gmailなどのフリーアドレスでも問題ありません。
できれば、就活専用のアドレスを取得しておくと良いでしょう。
@の前が自分の名前であれば、採用担当者にもわかりやすくおすすめです。
履歴書の基本情報は、事実を正確に記入することが大切です。
戸籍などの公的文書の記載内容に沿った形で記入しましょう。
差別化しやすいのは、「写真」です。
第一印象を大きく左右する部分なので、できれば写真館などでプロのカメラマンに撮影してもらうのがおすすめ。
身だしなみや表情をプロに指示してもらえるので、安心して写真を撮ることができます。
またデータでもらえるので、途中で足りなくなった場合でも焼き増しすることも。
費用はスピード写真機が700円ほど、写真館では2,000~3,000円ほどです。
②学歴の書き方
履歴書の中でも、最も大きなスペースを占める学歴・職歴欄。
書き方に間違えがあると目立つので、しっかりおさらいしていきましょう。
学歴
- 1行目の中央部分に「学歴」と記入
- 「年」は日付記入欄と統一(西暦か元号表記)
- 最終学歴が「専門学校もしくは大学か大学院卒」であれば、高校の卒業から記入
- 学校名は省略NG(~高校ではなく、「高等学校」)
学歴欄は、最初の1行目の中央に「学歴」と記入します。
実際の学歴は2行目以降に記載しましょう。
書く必要があるのは、最終学歴によって異なります。
以下を確認の上、当てはまるもので記入しましょう。
- 中卒の場合:中学校の卒業年月のみを記入
- 高卒の場合:中学校の卒業年月、高等学校の入学年月、卒業年月
- 専門学校、大学、大学院卒の場合:高等学校の卒業年月、それぞれの入学年月、卒業年月
卒業せずに退学をしている場合、入学年月を記入後「途中退学」した年月を追加しましょう。
大学の場合、学部・学科・コースまで記入しましょう。
大学院の場合は研究科まで記入が必要です。
仮に、一度就職後に再び学校に入学した場合も学歴欄に追加しておきましょう。
③職歴欄の書き方
職歴は、過去の職歴によって書き方が大きく異なります。
自分の当てはまる書き方について確認し、間違えないよう記入しましょう。
職歴
- 学歴記載をした後に1行空け、中央部分に「職歴」と記入
- 時系列ごとに会社名を略さず、正式名称で記入
- 在職中の場合、現職の退職日が決定していれば「退職予定」で記入
- 最終行は、1行使用し「現在に至る」と記入し、1行空けて右詰めで「以上」と記入
- 職歴が複数あり、書ききれない場合は「詳細は職務経歴書記入」でもOK
職歴欄は、学歴記載の後1行空けて中央に「職歴」と記入してから書き始めます。
学歴同様、「年」は西暦もしくは元号に統一しましょう。
職歴は、「入社年月と退職年月」をセットで記入します。
退職を記載する際は、退職理由を記載しておきましょう。
退職理由は、以下の当てはまる内容で記載します。
- 自己都合による退職:「一身上の都合により退職」
- 会社都合による退職:「会社都合により退職」
- あらかじめ契約期間があることによる退職:「契約期間満了により退職」
現在働いている場合、「○○会社入社」表記の次の行に「現在に至る」と記入します。
仮に求職期間がある場合において、履歴書に記載は不要です。
転職回数が多い場合、職歴欄が足りない場合も。
職務経歴書の提出を求められている場合は、「詳細は職務経歴書に記入」でも問題ありません。
記載が必要となるのは、「社会保険をもらっているかどうか」が基準となります。
社会保険は、国民の生活保障が目的で設立された公的保険制度で、保険料だけでなく国庫負担金などで運営されています。社会保険の中でも「健康保険」と「厚生年金保険」は、以下に当てはまる場合、アルバイトやパートでも加入している可能性があります。
1.週の所定労働時間が20時間以上であること
2.賃金月額が月8.8万円(年106万円)以上であること
3.雇用期間が2ヵ月を超える見込みがあること
4.以下の企業のうちのいずれかで働いていること
(1)従業員101名以上(厚生年金の被保険者数)の勤務先であること
(2)勤務先が国または地方公共団体に属していること
(3)従業員数が100人以下の勤務先でも、社会保険に加入することを労使で合意がなされていること
5.学生でないこと
社会保険に加入しているかどうかは、給与明細等に「雇用保険」「健康保険及び厚生年金保険」の天引きがあることを確認して下さい。
分からない場合は、所属している会社の給与担当者などに確認すると良いでしょう。
(記載がある場合)賞罰の書き方
- 記載が必要なのは、「受賞経験」と「犯罪歴」
- 受賞経験は、「全国優勝」や「国際レベルの受賞」経験を記入
- 犯罪歴がある場合、省略せずに記入
- 賞罰がない場合は、賞罰欄に「なし」と記入
(もしくは最初から賞罰欄がない履歴書を使用するほうがベスト)
賞罰欄がある履歴書を使用するのは、「受賞経験」や「犯罪歴」がある場合のみです。
特に賞罰で記入することがなければ、他の内容にスペースを使用できるので賞罰欄がない履歴書を使用するほうが良いでしょう。
賞罰で記入できるのは、全国優勝か国際レベルの受賞経験となります。
もしある場合、正式名称や受賞年月を記入しましょう。
犯罪歴に当てはまるのは、懲役・禁固・罰金などの有罪判決・刑事罰の経歴がある場合です。
該当するものがあれば、省略せずに記入しましょう。
④免許・資格欄の書き方
免許・資格は、企業に向けて自己PRできるスペースです。どこまで記入するべきかについても詳しく解説します。
免許・資格
- 免許と資格は分けて書かず、時系列ごとに記入
- 記載する順番は、応募職種に関係ある資格があれば優先して記入
- 資格取得していても、有効期限切れになっていないかは要確認
- 必ず正式名称で記入(取得時の名称)
- 現在習得のために勉強している場合、記載してもOK
- 免許・資格が未所持の場合は「特になし」と記入
複数の免許や資格がある場合、応募する職種に関係ある資格から優先して記入しましょう。
年数は問いませんが、有効期限切れになっていないかどうかは確認が必要です。
もし行数が余る場合、関係のないと思われる免許や資格も記入しておくと良いでしょう。
あなたにとっては必要ないと思う資格でも、企業にとってはプラス評価になることもあります。
また現在資格取得していない場合でも、受験済みで合格が見込めるものは「取得予定」、現在勉強中のものは「~取得に向け勉強中」と記載できます。
免許や資格が特にない場合は、「特になし」と記入します。
ただし、仕事に関連した資格取得を勉強中の場合には、「合格に向けて勉強中」と記載しておきましょう。
TOEICのスコア
- TOEICの記載は基本的に600点以上、2年以内のスコアを記入
- 必ず正式名称で記入(取得時の名称)
- 現在習得のために勉強している場合、記載してもOK
TOEICのスコアも記入する場合、点数に明確な基準はありません。
一概には言えませんが、一般的な目安としては、「英語を使う仕事でなければ600点以上」、「英語を使う仕事であれば800点以上」であればアピールポイントになります。
中には募集要項でTOEICスコア目安を記載している企業もあるので、事前に確認しておきましょう。
まずは、応募職種に関係するものをメインに記入しましょう。
それ以外にも、自己PRできるものがあれば積極的に記入すると良い印象を与えられます。
資格を取ってから時間が経過していても、応募職種に関係あれば興味関心が持続しているとアピールできます。
志望動機の裏付けにもつながるので、資格級が低くても何か1つあると心強いでしょう。
資格欄を空欄にする、もしくは空きが出るよりは直接業務に関係ない資格でも記入しておくと思わぬところでプラス評価につながることも。
⑤志望動機・趣味・特技の書き方
志望動機や趣味・特技は自分の個性や熱意を表現できるスペースです。
最も時間をかけて書くべき箇所なので、伝わりやすい文章で記入していきましょう。
志望動機
- 200~300字程度で書くのがベスト
- 転職で叶えたいこと、なぜその企業を選んだのか、入社して貢献できることを記入
- 書き出しは結論から記入
- 実体験をもとに、自分のスキルをアピールできると〇
履歴書の志望動機欄にもよりますが、1分程度で読める長さの200~300字程度で書くと良いでしょう。
文字数が多いと、内容がわかりづらくなるので良くありません。
採用担当者が知りたいのは、主に以下の3つです。
- 転職で叶えたいこと
- なぜ数ある企業から選んだのか
- 入社して貢献できることは何か
この内容を盛り込んで、記入しましょう。
志望動機は「書き出し」が最も大切です。
企業とマッチしているか人材かどうかをアピールできると、インパクトのある書き出しになります。
結論から記載し、その後に理由や根拠を記入すると伝わりやすい文章に。
たとえば、以下の例を参考に自分なりの書き出しを考えてみると良いでしょう。
- ○○の経験を生かして、○○の業務に携わりたいと考えています。
- ○○の経験を生かして、将来は○○のスペシャリストになりたいと考えています。
趣味・特技
- ひと目で内容がわかるよう、箇条書きで簡潔に記入
- 具体的なエピソードを加えると印象付けに
- 志望職種につながる趣味があればベスト
趣味や特技欄は面接で質問されることもあり、記入しておくと話題につながることもあります。
ひと目で内容がわかるよう、箇条書きで簡潔に記入すると良いでしょう。
このとき、エピソードを簡潔に付け加えるとよりイメージがつきやすくなります。
志望職種につながる趣味があれば、記入しておくとアピールポイントになることも。
たとえば、営業に応募する場合は「ジム通い」と記入すると体力がある点をアピールできます。
⑥通勤時間・配偶者/扶養欄の書き方
通勤時間や配偶者・扶養欄には決まった記入ルールがあります。
間違えのないよう、記入しましょう。
通勤時間
- 「自宅のドアから応募企業まで」の片道最短ルートの所要時間を記入
(一般的には片道90分以内が通勤圏内) - 通勤に使用する交通手段を書き添えるとベスト
通勤時間は、自宅のドアから会社までの片道所要時間を記入します。
電車やパスに乗車している時間だけではなく、自宅から駅までの徒歩時間も含めてトータルの所要時間を書きましょう。時間単位は「5分単位」で記入します。
また、面接時に交通手段を聞かれることも多いので、あらかじめ交通手段を記入しておくと好印象です。
記入欄がない場合、通勤時間欄のすき間を使用して記入しておきましょう。
配偶者・扶養欄
- 独身で一人暮らしの場合でも、空欄ではなく「0」と記入
- 配偶者を除いた扶養家族の人数を記入
- 配偶者がいる場合は「有」、いない場合は「無」
- 配偶者が扶養かどうかについて記入
配偶者、扶養欄については必ず空欄にせず何かしら記入しましょう。
履歴書の多くは、有無に丸をつけて記入します。
事実婚の場合は、あくまで法的な取り扱いに準じて記入しましょう。
ここで問われる配偶者とは社会保険の手続きについて聞かれており、事実婚には対応してないためです。
扶養家族に当てはまるのは、以下の条件をすべて満たしている場合です。
- ほかの健康保険組合に加入していないこと
- 対象者の1月~12月の収入が所定の条件を満たしていること(60歳未満は130万未満、60歳以上は180万未満)
- 同居の親族、または別居でも扶養可能な親族であること
- 主に世帯主となる被保険者の収入で生活していること
⑦本人希望欄の書き方
本人希望欄は、基本的には「貴社の規定に従います」と記入します。
給料や勤務地などの待遇面について交渉したい場合には、面接に進んでからがベストです。
記入する必要があるのは、以下の場合です。
- 複数の勤務地や職種から選ぶ前提の募集要項の場合
- 現在在職中の場合:退職予定日と、いつから出社可能かを記入
- 諸事情により連絡時間が限られる場合:いつ連絡取れるかを記入
- 勤務に影響する条件がある場合
応募する企業によっては、複数の職種を同時に求人している場合があります。
その場合、本人希望欄にて企業職種を記入しておきましょう。
注意点としては、求人票や募集要項の記載名の通りに正しく記載することです。
また、現在在職中の場合は退職予定日と出社可能日を記入しておきましょう。
連絡時間が限られる場合にも、連絡可能時間帯は記入しておくほうがベストです。
最後に、勤務に影響する条件がある場合は記載するのがマナーです。
たとえば、小さな子どもがいる、通院の必要がある場合などが当てはまります。
採用において不利になる可能性もありますが、書かずに内定取り消しになるケースもあるのであらかじめ記入しておきましょう。
まとめ
履歴書は企業に自分を知ってもらう大切なツールです。
あなたがどんな人物なのかを伝えるために、正確に情報を記入し自己PRをしっかり記載していきましょう。
履歴書は自分自身であると考え、提出前に今一度記載内容や誤字脱字がないか再確認を。
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