むずかり期とは?―子どもの成長を促す「むずかり期」の対応策

育児で多くの方がぶつかる壁として、むずかり期が挙げられます。

むずかり期の対処方法や向き合い方によって、子どもの今後の成長がかかってきますが「どうしたら、スクスクと育ってくれるのかな」と悩んでいるお母さん・お父さんも多いのではないでしょうか。

そこで、今回は「むずかり期とは?」「むずかり期の時のポイント」について、ご紹介していきます。

むずかり期(イヤイヤ期)とは?

むずかり期とは、脳と体が激しく成長していくことから、赤ちゃん自身がその成長についていくのが必死の期間のことです。

そのため、こんなことが起きやすくなります。

  • イライラして泣いてしまう
  • 思うように言葉を伝えることができずに激しく泣いてしまう

このような時期は、2歳前後までに何度も訪れることが特徴で、お母さん・お父さんにとっては「育児しにくいな…」「育児がうまくいかない」なんて悩んでしまう方もいることでしょう。

しかし、このような「むずかり期」は、決して子育てが上手くいっていない、赤ちゃんがワガママを言っているのではなく、赤ちゃん自身の脳と体が成長している証拠になります。

また、このようなことは、多くの赤ちゃんの通過点となっており、多くのお母さん・お父さんの勝負どころと言えるでしょう。

むずかり期が始まると、何をしても「イヤ!」となってしまうことや、ちょっとしたことで大泣きしてしまうことがあります。

そのようなときに大人が手助けをしてしまうと、自分の気持ちを伝えることが下手になってしまうことや言葉にできない場合もあります。

ここがポイント!

むずかり期は、赤ちゃんにとっては成長していく期間であり、お母さん・お父さんにとっては、ご自身の選択によってお子さんの今後の人生が左右されてしまう時期となっています。

育児のお手本は「羊水」

出産するまで、お子さんの優しく包み込んでくれている「羊水」ですが、これは親の「母性」と比喩されることがあります。

どんなに辛いことがあっても、赤ちゃんを包み込むような優しさと守りきる意志の強さによって、お子さんの成長が左右されるのです。

この優しさに包まれたお子さんの多くは「甘え上手」「イヤとはっきり言える」などの特徴を持っています。

そこで、ここからは「2つの特徴を手に入れるために、どうしたらいいのか」について、ご紹介していきます。

甘え上手にさせるためには

「甘え」という単語を聞くと、育児に関してあまりいい印象を持っていない方がいます。
しかし、育児の「甘やかせる」と「甘えさせる」には大きな違いがあるのです。

甘やかせるでは、ただ単にワガママを一方的に聞いたり、好きなことを好きなだけやらせることになります。
一方で、甘えさせるでは、子どもとのコミュニケーションを大切にしながら、受け止めてあげることを指しています。

そのため、「甘えられる環境」を作っていくためには、子どもとの体と心のコミュニケーションが大切なのです。

もし、親自身が子どもの甘えに対して「いつまで甘えているの!」と突き放してしまうと、もう二度と受け入れてもらえないのではないかと不安になってしまいます。
その後の子どもは、自立しようと必死に振舞いますが、2歳前後のためどうしても無理があります。

そのようなイライラや不安の中でも、親が放った一言に対して恐怖を覚えてしまい、次第に
甘えることができなくなってしまうのです。

子どもというのは、親が何気なく放った言葉でもよく覚えています。

そんな状況の中で「甘えるな!」と言ってしまうと「甘える=ダメなこと」になってしまい、孤立して自分の気持ちにフタをしてしまうことが多くあります。

このようなことにならないためにも、子ども自身の甘えには全力で受け止めてあげましょう。
もし、甘えてきたタイミングが悪いようなら、できない理由をしっかりと説明し、我慢できたらしっかり褒めていくことがオススメです。

ここがポイント!

このようなことにならないためにも、子ども自身の甘えには全力で受け止めてあげましょう。
もし、甘えてきたタイミングが悪いようなら、できない理由をしっかりと説明し、我慢できたらしっかり褒めていくことがオススメです。

イヤと本音が出せる子に

むずかり期が始まると、お母さん・お父さん自身もイライラしてきてしまい、つい「なんでそんなことするの!」「こっちでいいでしょ」と、子供の気持ちを無視してしまうことがあります。

また、「本当にありえない」などの親が批判的・否定的な考えが強いことで、子どもにも伝染してしまい、自分に自信が持てなくなってしまうこともあるのです。

子どもは常に「こんなことしたら、親に嫌われないか」という不安とともに生きています

そのため、子ども自身の考え方や気持ちを無視してはいけないほか、親自身が子どもに対して否定的な態度を取ってはいけないのです。

このようなことを防ぐためには、心の底から可愛がってあげることで子どもに安心感を与えて自分の気持ちを伝えやすくする環境を作っていくことが大切です。

親がどんな時でも味方してくれるという安心感があれば、子どもも「あれはやりたくない」「これはイヤだ!こっちがいい!」と言えるようになってくるのです。

子どもは、周囲から「ああしなさい、こうしなさい」と言われてばかりいると、自分のやりたいことがわからなくなってしまいます。
自分を見失うことがないように愛情を注ぎながら、子どもが安心して「イヤ」と言える環境を作っていきましょう。

子どもの「心」が育っていることを確かめる2つのポイント

子どもの心の成長を促していくためには「子どもに選択肢を与える」「気持ちに寄り添う」ことが大切です。

子どもに選ばせる

むずかり期に入ってしまうと、お母さんが決断したことを嫌がる傾向が強くなります。
そのようなときに「こっちでいいんじゃない?」と言わずに「こっちとこっち、どっちがいい?」と選ばせてあげることで、子どもの心がさらに大きく成長しています。

もちろん、時間がなかったりするときは、我慢させることも大切です。
しかし、相当なことがない限り、子どもに選択肢を与えてあげることで、自分の気持ちに向き合うことができ、安心感を感じて「イヤ」という心の成長を促すことが可能です。

子どもの気持ちに寄り添う

むずかり期を乗り越えていくためには、しっかりと「むずかり期がどういうものなのか」と理解して、子どもの気持ちに寄り添ってあげることが大切です。

親自身もストレスが溜まりやすいむずかり期ですが、それ以上にストレスを感じているのは子ども自身です。
その中で、お母さん・お父さんに拒否されてしまうと、心の安定が取りにくくなってしまいます。

このようなことを防いでいくためにも、イヤイヤモードになっていないときにスキンシップや遊びタイムを増やしてあげること。
また、今以上に愛情を伝えていくことで、子どもの揺れる心が安定させることができます。

なるべく、子どもの「やりたい」という気持ちを満たしてあげるように、先回りしてあげることで、親自身も子どももストレスなく過ごすことができるでしょう。

まとめ

今回は「むずかり期とは?」「むずかり期の時のポイント」について、ご紹介しました。
むずかり期は、親が何をしても「イヤ!」という時期のため、子育て初心者の方はすごく悩んでしまう期間とも言えます。

しかし、子ども自身が「イヤ」と言える環境は、それほど親の愛情をしっかりと感じて、安心した環境にいるという証拠です。

また、お母さん・お父さんのそのときの対処方法によって、子供が自分の気持ちにしっかりと向き合える瞬間でもあるのです。

「むずかり期について悩んでいる」という方は、この記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

※参考書籍:「たっぷり甘えさせて しあわせ脳を育てる! 6歳までの子育て  
渡辺久子著 株式会社カンゼン発行