相手の本質を承認し受け入れることをNLPの「スポンサーシップ」といいます。あなたにとってその日が存在していることを尊いものとして認識し、喜ぶことでもあります。NLP心理学のスポンサーシップとは具体的にどのようなものなのか?詳しくご紹介します。
1、スポンサーシップとは
スポンサーシップはニューロ・ロジカル・レベルの自己認識になります。ちなみにスポンサーシップを発揮する存在のことをスポンサーといいます。クライアントに対して自分の資源を見つけてもらい、自尊心や自己信頼を用いて自立を生み出します。
スポンサーシップは相手の存在に対しての承認になります。そのためには良い面も悪い面も含め、なんでも認めるというものではありません。いいことがあれば褒めますし、悪いことがあれば注意します。相手を深く理解しています。
いずれにしても一定の基準を持ったまま相手に接していることに過ぎませんよね。相手の存在そのものを認めその瞬間を捉え、見て感じるものです。
- 私はあなたを見ています(安心)
- あなたはここに存在しています(おだやか)
- あなたは価値がある人間です(満足)
- あなたはユニークな存在です(創造的)
- あなたは特別な存在です
- あなたは社会に貢献できる人間です(意欲)
- あなたは一員(メンバー)です
この言葉からもわかるように、人間としての尊厳を重視しています。スキルやテクニックではない人間の在り方そのものともいえます。NLP心理学では信頼関係を築くことはとても重要だと考えますが、継続的な信頼の為には、存在そのものを受け入れていかなくてはいけないのです。
承認というと“他者を受け入れること”だと思いがちですが、他者を承認する為には自己承認も必要です。逆の視点からいえば自己承認ができてこそ、他者欲求もできるといえるのです。自己承認として自分を受け入れることができていると、個人の人生の豊かさにも繋がります。両方が成立しているからこそ、スポンサーシップができるのです。
2、スポンサーシップの手順
スポンサーはクライアントと話をするにしても、変えようとしてやっているわけではありません。困難や苦しみのなかでも学べることはありますし、人を成長させてくれるのです。
そのため同情したり口うるさくアドバイスをするのではなく、ただ静かに見つめているだけです。自ら気づいて変わっていくというのが本当の意味での変化になるのです。スポンサーシップのやり方はとても簡単なものですが、実際に効果を実感するのは難しいかもしれません。
- スポンサーシップの手順は2人1組で行います。1人はガイド役でもう1人はクライアント役になります。向かい合って椅子に座ります(隣はNG)
- まずはクライアントに目を閉じてもらいます
- ガイド役は目を開けクライアントを見ます。価値判官を外すのを忘れずありのまま。
- はっきりとした意識でクライアントを見ます。頭のなかには雑念のない状態であること、明るい意識で見ることも重要なことです。これを5分程度して続けていきます。
ただ見ているだけでそんなに違いがあるのか?と思うかもしれません。でもクライアント側には確かな変化が現れてくるはずです。例えば身体や心が暖かくなったり居心地の良さを感じるはずです。
クライアントにとってもありのままに見ることはとても安全なことになり、心を緩めることにつながるのです。もちろん雑念をなしにクライアントを見るというのは簡単なことではありません。
ときには頭ではわかっていても次々に雑念が出てきてしまい集中できないこともあります。その場合は電車のなかから景色を見ているときのような気持ちで思考を留めることです。長くスポンサーシップをするのは難しいのでまずは短い時間から続けることに意味があるのです。
3、まとめ
スポンサーシップはクライアントに変化をもたらす方法です。最初は集中するのが難しいかもしれませんので、何度も練習し慣らしていってくださいね。