話が長い人、責任転嫁する人など、職場でエネルギーを奪われるタイプへの処方箋

コミュニケーション術

これまでの『影響力の武器 実践編:「イエス!」を引き出す60の秘訣』の知恵を凝縮し、「話が長い人」や「責任転嫁をする人」など、職場で特に対応にエネルギーを奪われるタイプへの処方箋を作成しました。

これらの相手には、感情的に反応するのではなく、心理的な「型」をあてはめることで、会話の主導権を奪い返したり、相手に責任を自覚させたりすることが可能になります。

1. 話が長い人(要点がズレる・時間を奪うタイプ)

このタイプは、承認欲求や「すべてを正確に伝えたい」という不安が強いのが特徴です。「希少性(時間制限)」と「一貫性(ゴール設定)」で外枠を固めるのが有効です。

使う武器 具体的なフレーズ例 心理的ポイント
希少性(時間) 次の会議まであと5分しかないので、結論から先に伺ってもよろしいでしょうか?」 「時間は有限(希少)」であると宣言することで、相手の脳を「要約モード」に強制的に切り替えます。
一貫性(事前目標) 「本日の相談は、『〇〇の決定』だけで大丈夫でしょうか? 迷わないように、まずゴールを共有させてください」 最初に話の「出口」を決めてしまうことで、話が脱線した際に「それは今の目的とズレていますね」と修正しやすくなります。
要約による遮断 つまり、〇〇という理解で合っていますか? では、次に進みましょう」 相手の話を自分の言葉で要約して奪い取ることで、相手の「話したい欲求」を一時的に満たしつつ、強制終了させます。

2. 責任転嫁する人(言い訳が多い・他責思考タイプ)

このタイプは、自分の非を認めることを「敗北」や「恐怖」と感じています。「ラベル貼り」と「書面によるコミットメント」で、逃げ道を塞ぎます。

使う武器 具体的なフレーズ例 心理的ポイント
誠実さのラベル 「〇〇さんは、プロとして自分の仕事の質にこだわっている方ですよね。だからこそ、今回の原因を冷静に分析したいんです」 相手に「プロとしてのプライド」というラベルを貼ることで、見苦しい言い訳を「自分らしくない」と思わせる心理的圧力をかけます。
能動的プロセス 「再発防止のために、〇〇さんの手で、改善策を3つ書き出していただけますか? 自分で書いたもの(コミットメント)は否定しにくいという心理を利用します。他人からの指示ではなく「自分の案」にすることで逃げ場をなくします。
損失回避(共通の敵) 「このまま原因を曖昧にすると、チーム全体の評価が下がり、〇〇さんの信頼も損なわれるリスクがあります」 個人を責めるのではなく、このままでは「あなたが損をする」という損失回避の心理を突き、自分事として捉えさせます。

3. 「忙しい」と逃げる人(先延ばし・非協力タイプ)

現状維持を好み、新しい負荷を嫌うタイプです。「フット・イン・ザ・ドア(小さな同意)」と「If-Thenプランニング」で、行動のハードルを極限まで下げます。

使う武器 具体的なフレーズ例 心理的ポイント
1分間の同意 たった1分、中身を確認してもらうだけでいいんです。それ以降は後日でも構いません」 極端に小さな要求(1分)から始めることで、一度「はい」と言わせ、その後の継続的な協力(一貫性)を引き出します。
If-Then(条件付け) 「もし今のタスクが一段落したら、このメールを開いて返信をいただけますか?」 「いつかやる」ではなく、具体的な状況(If)と行動(Then)をセットで約束させることで、実行率を飛躍的に高めます(秘訣48)。

4. 独断で進める人(報告・連絡・相談がないタイプ)

有能感が高く、周囲を軽視しがちなタイプです。「権威(ルールの明確化)」と「社会的証明」で、組織の枠組みを再認識させます。

使う武器 具体的なフレーズ例 心理的ポイント
社会的証明(規範) 「弊社のトッププレイヤーの方々ほど、リスク管理のために必ずこの段階で共有を入れるルールを徹底していますよ」 「デキる人ほどやっている」という社会的証明を見せることで、報告しないことが「未熟さの証」であると感じさせます。
アドバイスの変用 「独断で進めてトラブルが起きた際、私の方で責任を取るための『アドバイス』を事前にください 相手の「自尊心」を逆手に取り、上司や周囲を「守るため」という大義名分で情報を出させます。

💡 苦手な人を「攻略対象」として見る

『影響力の武器』を実践する上で、苦手な相手は**「最も強力なトレーニング相手」**になります。

  • 相手の「反応」ではなく「心理原理」を見る: 「また話が長いな」とイライラするのではなく、「今、この人の社会的証明のスイッチが入っているな」と観察者になることで、心の余裕が生まれます。

  • 小さな勝利を重ねる: 1分で話を切り上げることに成功した、1つだけ改善策を書かせた、といった小さな「イエス」を積み重ねることが、長期的な関係改善に繋がります。

世界的ベストセラー『影響力の武器 実践編:「イエス!」を引き出す60の秘訣』の膨大な知恵を「働く人の日常」に合わせてシチュエーション別にまとめた記事はこちらをご覧ください↓

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