【タイプ別診断】相手の「心の窓」を合わせるVAKモデル|伝わらないストレスをゼロにする

コミュニケーション術

NLP(神経言語プログラミング)の基礎でもあります「VAKモデル(代表システム)」を、ビジネスの現場ですぐに活用できる実践ガイドとして記事にしました。

「なぜか話が噛み合わない」「熱意が伝わらない」という悩みを、相手の「世界の捉え方」に合わせることで解消する内容です。

「一生懸命説明しているのに、相手がピンときていないようだ」 「自分はメールでパッと済ませたいのに、相手は電話でじっくり話したがる」 「論理的に話しているはずなのに、なぜか納得してもらえない」

職場のコミュニケーションでこうした「ズレ」を感じることはありませんか? 実はこれ、能力や相性の問題ではなく、「世界を認識するセンサー(五感)」の使い方の違いから生まれているかもしれません。

NLP(神経言語プログラミング)では、人が情報を処理する際に優先的に使う感覚を「VAK(ブイ・エー・ケー)」と呼びます。相手の「VAK」を知り、それに合わせた伝え方をするだけで、驚くほどスムーズに信頼関係(ラポール)を築けるようになります。

1. VAKとは? 3つの「心のフィルター」を知る

私たちは五感を使って世界を認識していますが、人によって「どの感覚を優先的に使うか」のクセがあります。

V(Visual:視覚優位)

  • 特徴: 情報を「映像」として捉えます。

  • 口癖: 「見通しが明るい」「イメージが湧く」「ピンときた(光のイメージ)」

  • 行動: 話すスピードが速い。身振り手振りが大きい。見た目の美しさや図解を好む。

A(Auditory:聴覚優位)

  • 特徴: 情報を「音や言葉」として捉えます。

  • 口癖: 「話の筋が通っている」「その響きはいい」「耳に馴染む」

  • 行動: 論理的な説明を好む。言葉選びが正確。周囲の雑音が気になりやすい。

K(Kinesthetic:身体感覚優位)

  • 特徴: 情報を「感触や感情」として捉えます。

  • 口癖: 「手応えを感じる」「腑に落ちる」「しっくりくる」

  • 行動: 話すスピードがゆっくり。実際に体験することを好む。心地よさや直感(感触)を大切にする。

2. 【実践】相手の「タイプ」を見極める観察ポイント1

明日から職場で、相手がどのタイプか観察してみましょう。以下のポイントがヒントになります。

特徴 V(視覚)タイプ A(聴覚)タイプ K(身体感覚)タイプ
話すテンポ 早口で、次々に話題が飛ぶ 一定のリズムで、論理的に話す ゆっくり、間をおいて話す
視線 上の方を見ながら話す 左右(耳の高さ)を見ながら話す 右下を見ながら話す(感覚を確認)
服装・資料 デザインや色、全体の印象重視 機能性や、言葉による説明重視 着心地や、手に取った時の質感重視
好む連絡法 図解入りのメール、対面 電話、丁寧な文章のメール 実際に会う、サンプルを触る

VAKそれぞれの叙述語一覧はこちら(別ウィンドウで開きます)≫

3.【実践】相手の「タイプ」を見極める観察ポイント2

脳が、視覚、聴覚、体感覚にアクセスする際に、体に現れる特徴のことアクセシング・キューといいます。体に現れる特徴によってその人がどのような方法で脳内の情報に繋がっているかを知る手がかりになります。

1. 視覚優位な人の特徴

目線が上を向いている↑

視覚的に考えているとき

  • よく見る
  • 目が上を向いている
  • 胸の上の方や肩で朝目の呼吸をする
  • 早口で話をする
  • 高い声で話す傾向
  • 姿勢はやや後ろに反り返った感じ

2. 聴覚優位な人の特徴

←目線が左右に動く→

聴覚的に考えているとき

  • 目は横に動く
  • 胸全体で 平らに呼吸する
  • 声のトーンは整っている
  • 体にリズムのある動きが見られる傾向
  • 姿勢はまっすぐ

3. 体感覚優位な人の特徴


目線が下を向いている↓

体感覚的に考えているとき

  • 目は下を向いている
  • お腹のあたりでゆっくり深く呼吸する
  • 遅い口調で話をする
  • 低い声で話す傾向
  • 姿勢はややうつむいた感じ

4. 【具体例】タイプ別の「響く」コミュニケーション術

相手のタイプに合わせた「伝え方の変換」の例です。

ケースA:新しいプロジェクトを提案する時

  • V(視覚)タイプの上司へ: 「このプロジェクトの全体図はこちらです。成功した時の光景を想像してみてください。非常に明るい見通しです。」(図解やスライドを活用する)

  • A(聴覚)タイプの上司へ: 「このプロジェクトの詳細なステップをご説明します。懸念点についても、しっかり議論を尽くしました。納得感のある内容です。」(論理的な構成と正確な言葉を使う)

  • K(身体感覚)タイプの上司へ: 「このプロジェクトが進めば、現場のメンバーも手応えを感じ、自信を持って動けるようになります。非常に安定感のある計画です。」(感情や実感を込めて話す)

ケースB:部下に指示を出す時

  • V(視覚)タイプの子へ: 「完成図はこんな感じだよ。まずは全体を見て進めて」

  • A(聴覚)タイプの子へ: 「手順を言葉で説明するね。まずは1番目に……」

  • K(身体感覚)タイプの子へ: 「一度一緒にやってみようか。この感覚を掴んでみて」

5. 明日から使える!「VAKマッチング」の3ステップ

今日からできる、相手との距離を縮めるトレーニングです。

  1. 相手の言葉を「オウム返し」する(バックトラッキング) 相手が「見通しが……」と言ったら「見通しですね」、「しっくりこない」と言ったら「しっくりこないんですね」と、相手が使った感覚語をそのまま使います。これだけで「この人は分かってくれる」と思われます。

  2. 相手の「テンポ」に合わせる 早口の人には少し早めに、ゆっくり話す人には呼吸を合わせてゆっくり話します。

  3. マルチチャネルで伝える 会議やプレゼンでは、V・A・Kすべての人に届くよう、「図解(V)」を使い、「論理的に説明(A)」し、「実例や体験談(K)」を交えるようにします。

まとめ:相手の世界に「お邪魔する」という姿勢

VAKを学ぶ本当の目的は、相手を型にはめることではありません。「相手が世界をどう見ているか」という、相手の地図を尊重することにあります。

あなたが相手の「優先する感覚」という窓から世界を覗こうとした時、コミュニケーションの壁は自然と消えていきます。

明日、苦手なあの人と話す時、そっと観察してみてください。「この人は今、何を見ているのかな? 何を聞いているのかな? 何を感じているのかな?」と。その一歩が、最高のチームを作る鍵になります。

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