停滞した現状を打ち破る!NLP流・問題解決のためのカウンセリング術

NLP心理学

前回の「目標達成(アウトカム)」の記事が「アクセル」の踏み方だとすれば、今回の「カウンセリング方法」は、現在かかっている「ブレーキ」の外し方に焦点を当てた内容です。

NLPのカウンセリング手法は、単に悩みを聴くだけでなく、「問題の構造」を解体し、解決へのルートを脳に再認識させるという非常にロジカルなプロセスです。

「なぜか仕事が進まない」「同じ失敗を繰り返してしまう」「特定の人間関係でいつも躓く」

こうした「問題」に直面したとき、私たちの脳は「問題の迷宮」に入り込んでしまいます。迷宮の中では、「どうしてこうなったんだ」「あいつのせいで……」という思考がループし、出口が見えなくなります。

NLPのカウンセリングでは、いくつかの「魔法の質問」を順番に投げかけることで、この迷宮の壁を取り払い、脳を「問題フレーム」から「解決フレーム」へと鮮やかに転換させます。

1. NLPカウンセリングの核:「問題フレーム」を抜け出す

多くの一般的な相談では、「大変だね」と共感すること(傾聴)を重視します。もちろんそれも大切ですが、NLPではさらに一歩踏み込み、「脳がどのようにその問題を維持しているのか」を解明します。

人は問題に直面すると、無意識に「自分は無力だ」「状況は変えられない」という制限を自分にかけてしまいます。カウンセリングの目的は、その制限(ブレーキ)を特定し、外すことにあります。

2. 思考を整理し、解決へ導く「NLP式・7つの問い」

以下の順番で自分、あるいは相手に質問を投げかけてみてください。これらは、脳の焦点を「過去の苦しみ」から「未来の可能性」へ移動させるための設計図です。

STEP 1:問題の特定

「現在、あなたが抱えている問題は何ですか?」 まずは、モヤモヤしているものを言語化します。

STEP 2:価値観の確認

「あなたにとって、なぜこれが問題なのですか?」 「売上が上がらない」が問題な人もいれば、「売上は上がっているが、自由な時間がない」ことが問題な人もいます。**「何が自分の琴線に触れているのか」**という本質(価値観)を探ります。

STEP 3:パターンの把握

「あなたはこの問題をいつから抱えているのですか?」 最近のことなのか、それとも人生で何度も繰り返している「パターン」なのかを確認します。

STEP 4:ピークの確認

「最悪の状態だったのはいつですか?」 過去のどん底を確認することで、「今はそこよりはマシだ」という客観視を促し、脳のパニックを鎮めます。

STEP 5:責任の所在と外部化

「誰のせいでこの問題が起きたのでしょうか?」 一見、犯人探しに見えますが、実は「自分以外の要因(環境や他者)」を切り離すための質問です。すべてを自分のせいにせず、状況を整理します。

STEP 6:制限の特定

「この問題は、あなたにどのような制限を与えていますか?」 その問題のせいで「できなくなっていること」を明確にします。これが次のステップへの「反動力」になります。

STEP 7:解決への転換

「あなたの望ましい状態、手に入れたい結果は何ですか?」 ここが最大のポイントです。問題の解体作業が済んだら、最後に一気に「アウトカム(目標達成)」の方向へ脳の向きを180度転換させます。

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3. 具体例:チームの人間関係に悩むリーダーのケース

あるリーダー(Aさん)が「部下とのコミュニケーションがうまくいかない」と悩んでいる場合を想定してみましょう。

  • カウンセラー: 「今、何が一番の問題ですか?」

  • Aさん: 「部下に指示を出しても、返事だけで動いてくれないんです」

  • カウンセラー: 「なぜそれが問題なのですか?」

  • Aさん: 「チームの目標が達成できないし、何より私自身が軽んじられているようで悲しいからです(価値観の露呈)」

  • カウンセラー: 「最悪の状態だったのはいつですか?」

  • Aさん: 「先月の大きな会議で、指示が全く通っていなかった時ですね。今はまだ対話はできています」

  • カウンセラー: 「この問題で、あなたの行動にどんな制限がかかっていますか?」

  • Aさん: 「部下を信じきれず、結局全部自分でやってしまい、自分の成長が止まっています

  • カウンセラー: 「では、本当はどういう状態を手に入れたいですか?」

  • Aさん: 「お互いに信頼し、私が細かく言わなくても、部下が自発的に『こうしたい』と言ってくるチームにしたいです」

このように質問を進めることで、Aさんは「部下が動かない」という愚痴から、「信頼関係を築き、自発性を育てる」という前向きな目標へと視点を移すことができました。

4. NLPカウンセリングを成功させる「関わり方」

質問の内容と同じくらい大切なのが、カウンセリングを行う際の「空気感」です。

  1. ラポール(信頼関係)の構築: 相手が安心して話せるよう、うなずきや相槌(バックトラッキング)を使い、深い信頼関係を築いた状態で始めます。

  2. ジャッジしない: 「それは君が悪いよ」といった評価は一切挟みません。ただ、脳内の地図を一緒に眺めるガイドに徹します。

  3. 「答え」は相手の中にあると信じる: カウンセラーが解決策を提示するのではなく、質問によって相手自身の脳に答えを検索させることが、最も持続的な変化を生みます。

まとめ:悩みは「解決の扉」への入り口

NLPのカウンセリングは、単に傷を癒やすためのものではありません。「問題」を分解し、それを「理想の未来」を創るためのエネルギーに変える錬金術です。

もし今、あなたが解決できない問題に直面しているなら、まずはSTEP1からSTEP7までの質問を自分自身に紙の上で投げかけてみてください。書き終わる頃には、悩みの重さは消え、次の一歩が見えているはずです。