『影響力の武器 実践編:「イエス!」を引き出す60の秘訣』の知恵を凝縮し、心理学的原則に基づいた、相手の自尊心を傷つけずに「自発的な変化」を促すフレーズ集を作成しました。
ただ褒める、ただ叱るのではなく、相手の心にある「一貫性」や「社会的証明」などのスイッチを優しく押す言葉選びがポイントです。
1. 相手を「自走」させる褒め方フレーズ
単なるお世辞ではなく、相手のセルフイメージを書き換え、望ましい行動を定着させるための伝え方です。
| 心理テクニック | 具体的なフレーズ例 | 狙いと効果 |
| ラベル貼り | 「〇〇さんは、細かい変化によく気づくプロだね」 | 「自分はそういう人間だ」という自覚を持たせ、そのイメージに合う行動を強化する。 |
| 一貫性の利用 | 「先週のあの対応、〇〇さんらしい誠実さが出ていて素晴らしかったよ」 | 過去の成功体験と現在の自分を紐づけ、ポジティブな行動を継続させる。 |
| 具体的な称賛 | 「資料の3ページ目の図解、意図がスッと伝わる素晴らしい工夫だね」 | 具体的であればあるほど「お世辞」ではなく「真実」として受け入れられ、信頼が増す。 |
| 社会的証明 | 「〇〇さんの仕事ぶりを見て、周りの若手も刺激を受けているよ」 | 「みんなが認めている」という事実を伝え、集団の中での自分の役割を再認識させる。 |
| 意外性の提供 | 「(何でもない時に)いつもチームを支えてくれてありがとう。本当に助かっているよ」 | 予期せぬタイミングでの感謝は、返報性を強く刺激し、より深い協力関係を築く。 |
2. 相手を「改善」させる注意・叱り方フレーズ
反発(リアクタンス)を最小限に抑え、相手が納得して行動を正すための伝え方です。
| 心理テクニック | 具体的なフレーズ例 | 狙いと効果 |
| 過失の告白 | 「すまない、私の指示が不明確だったせいで手間を取らせてしまったね。次は〜」 | 自分の非を先に認めることで相手の防衛本能を下げ、アドバイスを受け入れやすくする。 |
| 損失回避 | 「このまま進めると、せっかくの君の努力が無駄になってしまう恐れがあるんだ」 | 得られるメリットよりも「今ある努力や評価を失うリスク」を強調して、改善を促す。 |
| 期待のラベル | 「君のように責任感の強い人が、今回に限ってどうしたんだろう? 何かあった?」 | 相手の「本来の良さ」を前提に話すことで、相手は自ら進んで「本来の姿」に戻ろうとする。 |
| 自由の付与 | 「改善案を2つ考えた。どちらが君にとってやりやすいか選んでみてくれるかな?」 | 強制するのではなく「選択権」を相手に渡すことで、やらされ感をなくし自発性を生む。 |
| アドバイスを請う | 「どうすればこのミスをゼロにできるか、現場に詳しい君の知恵を貸してほしい」 | 叱るのではなく「相談」という形をとることで、相手を「共犯者」にし、再発防止にコミットさせる。 |
3. シチュエーション別:魔法の「一言」付け足し術
どんな会話でも、語尾や冒頭にこれを添えるだけで説得力が変わります。
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「〜なので(理由)」:
「この修正をお願い。明日の会議でクライアントを安心させたいからなんだ」
※ どんなに当たり前でも、理由を添えるだけで承諾率は激増します。
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「〜のアドバイスをください」:
「この部分について、君の視点からアドバイスをくれるかな?」
※ 「意見」ではなく「アドバイス」という言葉が、相手を協力的な味方に変えます。
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「もし〜したら、〜する(If-Then)」:
「もしわからないことが出てきたら、すぐに私にチャットを飛ばして。いいかい?」
※ 具体的な状況を想定させることで、実行のハードルを下げます。
活用のアドバイス
これらのフレーズを使いこなすコツは、「相手の本来持っている良さを、あなたが最初に見つけること」です。
心理学的なテクニックは、相手をコントロールするための「罠」ではなく、相手の心にある「良くなりたい」という気持ちを助けるための「照明」のようなものです。あなたが相手をどう見ているかが、言葉を通じて相手に伝わります。
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