現代人が不足しているマズロー五段階欲求ってなに?

皆さんは「マズロー五段階欲求」を知っていますか?
現代人が不足しているといわれる承認欲求の一つになり、人生の目的や願望を叶える以前に、一番重要で大切なことだと言われているのです。本当は心から望んでいるはずのマズロー五段階欲求に向き合わないままの生活は、決していいことではありません。

1、マズロー五段階欲求とは?

承認欲求ともいわれるマズロー五段階欲求は、“人から認められたい”と思う気持ちです。
言葉にしないだけで誰だって持っている欲求の一つで、1943年にマズローによって発表された論文の「人間の動機づけに関する理論」で有名になりました。

具体的には「1.生理的欲求」「2.安全の欲求」「3.所属と愛の欲求」「4.承認欲求」「5.自己実現の欲求」となり、低いものからうえに進んでいきます。例えば生理的欲求が満たされると次に安全の欲求といったように求めるものが変わります。

欲求を持つことに対して人間は悪だと思いがりですが、人間が一定の欲求を持つのは決して割ることではなく、より幸せを感じることにも繋がります。

各階層の詳細 

出典:Wikipedia アメリカの心理学者アブラハム・マズロー自己実現理論

  • 生理の欲求 (Physiological needs)
    生命を維持するための本能的な欲求で、食事・睡眠・排泄など。極端なまでに生活のあらゆるものを失った人間は、生理的欲求が他のどの欲求よりも最も主要な動機付けとなる。
  • 安全の欲求 (Safety needs)
    安全性、経済的安定性、良い健康状態の維持、良い暮らしの水準、事故の防止、保障の強固さなど、予測可能で秩序だった状態を得ようとする欲求。病気や不慮の事故などに対するセーフティ・ネットなども、これを満たす要因に含まれる。
  • 社会的欲求と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
    自分が社会に必要とされている、果たせる社会的役割があるという感覚。情緒的な人間関係についてや、他者に受け入れられている、どこかに所属しているという感覚。愛を求め、今や孤独・追放・拒否・無縁状態であることの痛恨をひどく感じるようになる。
    不適応や重度の病理、孤独感や社会的不安、鬱状態になる原因の最たるものである。
  • 承認(尊重)の欲求 (Esteem)
    自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求。尊重のレベルには二つある。低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目などを得ることによって満たすことができる。マズローは、この低い尊重のレベルにとどまり続けることは危険だとしている。高いレベルの尊重欲求は、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることで満たされ、他人からの評価よりも、自分自身の評価が重視される。この欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じる。
  • 自己実現の欲求 (Self-actualization)
    以上4つの欲求がすべて満たされたとしても、人は自分に適していることをしていない限り、すぐに新しい不満が生じて落ち着かなくなってくる。自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりえるものにならなければならないという欲求。

以上の5つの欲求全てを満たした「自己実現者」には、以下の15の特徴が見られる。
・現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つ
・自己、他者、自然に対する受容
・自発性、素朴さ、自然さ
・課題中心的
・プライバシーの欲求からの超越
・文化と環境からの独立、能動的人間、自律性
・認識が絶えず新鮮である
・至高なものに触れる神秘的体験がある
・共同社会感情
・対人関係において心が広くて深い
・民主主義的な性格構造
・手段と目的、善悪の判断の区別
・哲学的で悪意のないユーモアセンス
・創造性
・文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越

2、マズロー五段階欲求の具体的な考え方

例えばあなたが会社をクビになり家賃も光熱費も払えず貯金もない。身内などの頼れる人もおらず手元には1万円しか持っていないとします。誰からも助けてもらえない状況で、あなたはその1万円を何に使いますか?

生き延びていくためには、まずは食費に使いなんとか乗り越えようとしますよね。お腹が空いたままでは何もできませんし命に関わります。人間が最初に求めるのが生理的欲求であるのは、至って普通のことだと思います。

この生理的欲求が満たされると、次に安全欲求を求めるようになるのです。例えば食費はなんとか得られたものの、できることなら帰る家がありお風呂のある安定した生活をしたいと思うものです。

そのためには収入を増やして生活を安定させたいと思うもの。それがクリアできると次に自己表現を求め「自分は何者なのか?」を考える為に他者とのつながりを求めます。次に他人から認められ尊敬されたい“自我の欲求”が出てきます。

最後に自分にしか持っていない能力を引き上げ限界に挑戦してみたいと思うような“自己実現欲求”が出てきます。ちなみにこれらをすべて達成した先にある「自己超越」もあり、他者から見返りを求めることもなく謙虚・創造的な人間であり多様な視点や思考を持っている人もおり、全体のうちのたったの2%に過ぎないと言われています。

3、マズロー五段階欲求の注意点とは

ただしこのマズロー五段階欲求は人によっても違いがあります。人によっては生理的欲求よりも、なにか創造したり自己実現欲求が強い人もいます。また、下位にある欲求が満たされることのないものだと思うと、より高い欲求を求める場合もあります。

あくまでも基準であって人によっても欲求の内容が変わるのを忘れてはいけません。誰にでも持っているマズロー五段階欲求は、まずはその人が何を求めているのかを傾聴しながら明確にすること、そのうえで受け止めてあげることが大切です。

欲求を持つことは普通のことで大丈夫だよと励ましてあげること、認めてあげることは今の時代にこそ必要なものです。

4、まとめ

人間は無意識のうちに誰かから認められたいという思いを持っています。マズロー五段階欲求を使えば今自分がどんな状況にいて、どのぐらい幸福度を感じているのかを明確に表現することができます。

何かに対して欲求を求めるのは決して悪いことではなくそれを認めてもらえるかどうか、引き出してあげることも必要です。自分の欲求を表現するのが苦手な人も多いのでねぎらったりほめてあげるなど、認めてあげてくださいね。